7、君を守る刀 ページ8
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____善逸の身体は前へと倒れそうになるが、そのまま地面へといくことはなかった。
……自分の片足を前に出して、上半身を支えたのだ。
そしてそのまま、腰を低くしていく。
善逸「……シィィ−……」
彼の口元から聞こえてくる音。
鬼の「アァンン??ナァンダー?」
先程とは違い静かになった善逸に、鬼は不思議に思いながらも"毒が回ったんだ"と思い、ゆっくりと近ずいて来る。
其れを合図に、善逸は刀を強く握った。
そして……
善逸「雷の呼吸……壱ノ型___」
腰を更に低くし、瞳を閉じたまま……
善逸「____霹靂一閃」
鬼「なんッ……!!!」
光の速さで、鬼の首を切り裂いた。
ピリピリと、稲妻が善逸の周りから漂う……、そしてその善逸からは
____小さながらも感じる殺気。
ゴトッ……と切れた鬼の頭が消えていったのを確認した善逸は、瞳を閉じたまま光の速さでAの方へと向かう。
.
善逸「(……!見つけた……)」
少女を守るように前へ出て、盾になろうとしているAの姿。
彼女から聞こえてくるのは、小さな恐怖の音と……希望の音。
その希望の音は、彼女が___
貴方「ッ!善逸!!上だッ!!」
善逸「!」
__言われた通りに上を見れば、Aちゃんを一直線に狙って爪を向ける鬼の姿がった。
大丈夫、守ってみせるよ。
善逸「シィイ−…………
____ッ霹靂一閃……!」
上にいる鬼の首に向かって、刀を振るう。
___それは一瞬で。
空中から後ろを向けば、顔と身体が離れた鬼が、ゆっくりと消えてているところだった。
安心したまま、俺は地面へと落ちてゆく。
貴方「善逸……!」
すると突然、飛んで助けに来てくれたであろうAちゃんが、俺をフワッと抱き寄せた。
そしてそのまま、ストン……と優しい音と共に、脚が地面に付く。
善逸「君が無事でよかった」
貴方「…………ありがとう」
善逸は瞳を閉じたまま、Aの頭を優しく撫でる。
Aは、そんな善逸を面白そうに見て、ゆっくりと微笑んだ。
そんなAから聞こえてくる音は、善逸の好きな……
_____優しい音だけになっていた。
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月1日 23時