君の隣で第2章 (ページ11)

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「大ちゃん....」

振り向く君

あっやっぱりリンゴ飴食べてる

予想どおり過ぎておかしくなる

「まぁ～たリンゴ飴食べてる笑」

思わず笑ってしまったけど
反応がない大ちゃん
どうしたんだろ....

「大ちゃん？」

「すっげー似合ってる....綺麗....」

「えっ？」

一瞬なんのことか分からなかったけど浴衣の事かな？
真っ直ぐに見つめてくる大ちゃんの目はからかってるようには見えない

「....ありがと」

見られ過ぎて恥ずかしい。
絶対今顔赤い...

浴衣....着てきて良かった

大ちゃんに褒めらたのが嬉しくて分かりやすくテンションが上がってしまう

「その浴衣どうしたの？」

そう聞かれて答えようとしたら

後ろから山田の声が聞こえた

「もぉ！めっちゃ探したし‼誘拐されたかと思った」

大げさだな～と思いながら会えて安心する
電話しても全然出ないしって言うから忘れたっていったら小突かれた

「2人とも浴衣？気合いはいってんね」

大ちゃんに言われてやまだのお父さんに借りたって説明してたら向こうからみきちゃんが走ってきた

あっ....

浴衣姿の可愛い彼女
いつも下ろしてる髪をアップにまとめて
少しお化粧もしてる
小さくて華奢なシルエット

バカだな俺

何浮かれてんだろ....

女の子の浴衣に勝てるわけないじゃん

ちょっと褒められたからって...

本当ばかだ....

並んだ2人があまりにもお似合いで悲しくなる...

「......可愛いね♪

デート楽しんでね」

大ちゃんと目を合わせられないでそのままその場を立ち去る

やっぱり浴衣なんか着なきゃ良かった...

夜空に舞い上がる大輪の花を見ながら

その大きな音もどこかとても遠くで鳴ってるように聞こえた。