君の隣で (ページ37)

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hkside

「なんかちょっと吹っ切れた？」

大ちゃんにそう聞かれて思わずお箸を落としそうになる。

「えっ何の話？」

「いや～最近空元気な気がしたから...」

大ちゃんに心配されるぐらい態度に出てたんだ汗
ダメだな～...

この前やぶにはっきり言われてさんざん泣いて、けっこうスッキリした！
前にも後ろにも行けなかったのがようやく動けるようになった感じ。
くよくよしてるのって俺らしくないしね！

「俺.....新しいボーカル探すわ！」

「やぶくんはいいの？」

「うん...はっきり言われた...」

「そっか... 頑張れよ‼」

って大ちゃんが肩をバシッと叩いてくる
イッテ～なぁ笑

今はただ前に進むしかない...
いつかまたいい思い出として振り返れるように

「あれ...大ちゃん今日パン？みきちゃん来ねーの？」

「今日委員会で集まりがあるんだって」

「そうなんだ～」

最近はいのちゃんも来ないし、なんか寂しいなぁ...って思ってたら

「いのちゃんって結局誰と食べてるの？」

大ちゃんも同じ事を考えてたみたい

「俺も知らね～教えてくれないし...
あんなに告白断ってたのにタイプの子でもいたのかね...」

「ふぅ～ん」

弁当を食べ終わってゴロンと横になる
青い空がどこまでも広がってる
ふと反対を見ると遠くにフワフワ浮かぶものが

「なんだあれ...飛行船？」

えっ！すっげー‼俺初めて見た‼
って大興奮な大ちゃん笑

一緒に屋上の反対側まで見に行って、どうやって飛んでるのかなって話してたら、下に見覚えのあるきのこ頭

「あれいのちゃんじゃね？」

俺が言うと大ちゃんも下を見て

「本当だ‼一緒にいるのって...えっ山田⁉」

一緒に顔を見合わせる...

「なんだ～山田なら一緒に食べればいいのに...」

ってちょっと寂しそうな大ちゃん。

上から見られてるなんて知らないいのちゃんは、弁当を食べながら山田と一緒にスマホ覗いて楽しそうに笑ってる。

最近のいのちゃんは笑っててもどこか寂しそうで...昼も毎日一緒に食べるの本当は辛かったんじゃないかな...

まぁ全部俺のおくそくだけど...笑

「それはそうと2人距離近くね⁉」

って大ちゃん。
えっ⁉お前がそれ言う⁉⁉笑

「いやいやおまえといのちゃんの方がもっと近かったし！笑」

って言うと、えっ！本当⁉って...
自覚なしかよ～

2人をぼーっと見つめる大ちゃんの顔は俺が今まで見たことない顔だった。