あいのちから ページ10
｢は、え、…は？｣
｢面白ぇぐらいにすぐ泣き止んだな。お前、そんなに俺の事好きか。｣
｢好きです。｣
今の状況を把握出来ないくらいには混乱しているにも関わらず、即答で好きだと答える桐島は流石である。
桐島は、ぽかんとして双六を見つめる。
｢とりあえず、おま、いや、Aが今言ったことは全て叶える。｣
｢あ、え？は、はい。｣
混乱し過ぎて何を言ったかさえ覚えてないが、桐島は分からないなりにも返事はちゃんと返す。
｢Aは今日から地下牢担当看守を解任し、通常の看守にする。地下牢は俺と解任したがAで少しずつ担当する。もう地下牢の囚人も数える程度だしな。｣
ひとりでブツブツなにか言い始めた双六に戸惑いながらも見守る。
思い立ったように双六は突然立ち上がり、言い放った。
｢これから全て報告書にして看守長に渡してくる。1時間で済ませる。此処で待ってろ。｣
｢は、はい！｣
そして双六は目には見えない速さで看守室へ向かった。
御十義はその様子を高笑いしながら見ていた。
｢青春だなぁ！いいぞ。アイツももうすぐで三十路だ。さっさと結婚してくれ！｣
｢訳が分からない…。｣
桐島が頭を抱えていると、御十義はベッドに腰掛けてきた。
｢噂ではおめぇのこと聞いてたよ。ずっとハジメにアタックしてるスゲービジンがいるってな。あんただろ？｣
｢アタックというよりは一方的な告白ですが。｣
御十義は高笑いから微笑ましいものを見るものの目に変わり、穏やかな口調で話し出す。
｢今のおめぇとハジメの会話で分かったよ。ハジメはおめぇのこと大分気にかけてたんだろうよ。｣
｢そ、そうだったんですかね。｣
｢おうともよ。他人と比べて自分から喋る言葉が多い。好きなコには自分を見て欲しいってやつだ。小学生のガキみてぇだな。｣
双六を小学生などというのはこの人くらいだろう。と若干驚きを越して引いたが、ようやく、自分が双六と付き合ったことを実感しだして、うれしさと恥ずかしさで身悶えそうになる。
｢遅くなりましたが、十三舎担当看守の桐島Aです。｣
｢御十義翁だ。ハジメをよろしくな。｣
｢すまん。3分遅れた。じゃあ、本土に帰るぞ。｣
戻ってきた途端、またそうやって双六は言い放った。
死刑執行人は執行後、3万円の手当とその後の休暇を言い渡される。そのため、桐島は本来なら執行後すぐ帰る予定だったのだ。
｢え、お仕事は…？｣
｢終わらせた。｣
｢！？｣
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
