死刑執行人 ページ7
｢お前、自分で言うのも癪に触るが、趣味悪いな。｣
｢いいえ。私は人を見る目だけには自信がありますので、ご心配は無用ですよ。私が双六主任を好きになったことに間違いはありません。｣
堂々と言ってのける桐島にまたため息をついて、双六は黙った。
｢あ、この後はどこに行かれるのですか？｣
｢十三舎に戻る。ちょうどいい。地下牢を見に行く。そろそろ何番かの死刑執行日が近付いてるだろ。｣
流石、十三舎主任看守部長だ。
ちゃんと毎月の報告書に目を通していて、しかもそれをちゃんと記憶している。
エレベーターを降り、モノレールへ盛り込む。
｢ええ。死刑執行は私が行いますが、よろしいでしょうか？｣
｢…本来は二人以上でしなきゃならないんだが。｣
｢上層部には内緒にして頂けませんか？｣
縋る目で桐島は双六を見つめると双六は仕方ないと舌打ちして了承した。
車内に人は少なく、双六はシートに座り、双六の斜め左の吊革に桐島は掴まる。
｢出来るだけ、自分以外の看守に死刑執行させたくない。だったか。理由は。｣
｢はい。…囚人と言えど、人間です。痛めつけるだけでも辛くて身も持たぬ看守もいるにも関わらず、刑罰だとしても、人を殺めるなど。｣
｢…ふぅん。甘いな。｣
見下すように足を組んで、また手も組んで、双六は吐き捨てた。
桐島は小さく俯く。
｢申し訳ございません。これは完全なる私の甘さです。…それでも、この苦しみと辛さは私だけがしっていればいいと、思うのです。｣
双六は死刑執行人になったことがない。
そもそも死刑執行人はベテランの主任看守部長や副主任看守部長以下の看守が担当する。ベテランと言われる前に主任看守部長になった双六が経験が無いのも当然である。
｢三十路にもベテランとも言えねぇてめぇがなんで死刑執行人なのかよく分からんが。｣
｢地下牢担当看守なので。必ず立ち会わなければならないんですよ。｣
｢…だからか。隠蔽が簡単なのは。｣
｢隠蔽って…死刑執行人の欄の名前を書き換えてるだけですよ。｣
｢それが隠蔽っていうんだよ。｣
モノレールから降り、双六と地下牢へ向かう。
｢そういや、星太郎がお前見て綺麗な人ですね。って言ってきたぞ。星太郎とかは好きにならんのか？｣
突然の双六からの恋バナに桐島は驚いて目を見開く。
｢綺麗な人だとは思いますが。私、双六主任以外好きになったことが無いんです。｣
双六はまたもや頭を抱えてため息をついた。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
