エレベーターにて ページ6
｢は…。｣
｢双六主任、仕事に真面目な方に好感を持たれますので、私も凄く真面目にしていたんです。そしたら空き時間に訓練していただきまして。ですので、貴方よりは私は強いはずですよ。｣
呆気に取られている悟空にとびきりの作り笑顔を見せて、言ってのけた。
｢勝手にお借りして申し訳ございませんでした。お返しします。｣
そういって如意棒を返すと、屈辱で怒りに震えていた。本当に震えていた。
そそくさとその場から逃げる。
｢…悟空主任、思った以上に面倒臭い人だ…！｣
ひとりでエレベーターに乗り込み、壁に手をつく。
｢一体双六主任何したんだ…。いや、でも…、あの性格だと恨みは相当買ってるだろうからなぁ…。もう少し当たり障りのない話し方をしてくれれば｣
｢何ひとりで人様の悪口言ってくれてんだ、ああ？｣
桐島はエレベーターが止まって、人が入ってきたのにも気付かず、ずっと独り言を言っていた。
しかし、それが南波一の看守である双六では気配を消すのも容易で、目も閉じていた状況も相まって、気付けないのも仕方なかった。
だがそんなことは問題ではない。
｢しゅ、双六主任！？え、は、なん、で。いや、え、好きです。｣
｢あのなぁ、俺は仕事以外気ィ使いたくねぇんだよ。恨み買おうが何だろうが関係ねぇ。俺は俺だ。｣
滑らかに桐島の告白はスルーされる。まぁいつもの事だが。
ムスッとした顔で前を睨みつける双六に桐島は目を奪われる。頬を赤く染めて見つめる桐島と不機嫌そうに前を睨みつける双六の温度差は半端ではない。
｢そういう、自分を曲げないところかっこいいです。…ですが、恨みを買ってしまえば、仕事が順調に進まなくなってしまう場合もございますので、一応心の片隅に置いてくださると嬉しいです。｣
薄く微笑み、頬を赤く染める桐島は、非常に美しい。本当に幸せそうに笑うのだから地下牢の女帝の面影など四散してしまっている。
その桐島を流し目で見た双六は頭を抱えて、ため息をついた。
｢お前、キジんとこの方がいいんじゃねぇか？｣
｢断固拒否致します。確かに美しさを追求する人は美しいですが、私は双六主任が最も人間として美しいと思います。｣
｢は？｣
双六が意味がわからないと口を開けて疑いを目を桐島にやると、桐島は更に顔の朱を深めて視線を彷徨わせる。
｢自分の任務を全力で、責任を持って遂行しようとする姿は私が見てきた中でとても美しく感じました。それに、純粋に私は双六主任の元で働きたいです。｣
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
