異常事態 ページ27
とりあえず634番の手から15番を離すべく、桐島は634番に殴りかかった。
｢っおっと…邪魔されちゃあ困るんだよ。今はマジな気分だからさ。｣
嫌な予感がして咄嗟に634番から距離を取る。その瞬間、自分がいた場所は炎々と燃え盛っていた。
｢人体発火現象…？にしては完全過ぎる。貴様、体を！｣
｢A！これ、一体どういう事だ！｣
事態の異常さに気付いた双六は一瞬で駆けつける。双六は若干声を荒らげて傍に立つ。
そして、火の間から15番の姿が見えた。
その姿はこの世の物とは思えぬ姿であった。
腕が、刀のように変形している。
｢分かりかねます。っ…！｣
桐島は看守長を見つめる。看守長もこちらを伺っていたようで、少しだけ焦ったような顔を見せていた。
｢その二人を取り押さえろ！捕縛し、正体を暴く！｣
その声に双六と四桜は目の色を変えて、深く、強く応えた。
｢御意！｣
桐島は、二人の捕縛は主任達に任せて、カメラを破壊した。たった十数台のカメラの破壊行動などすぐ終わる。弁償させられるだろうかと破壊しながら考えたが、二人のことが囚人に知れ渡るよりはマシだろう。
破壊しきった桐島は看守長の元へ向かった。
どうやら先に看守長の元へ三葉と悟空が行っていたようで、捕縛に二人が加わっていた。
｢看守長。突然許可もなく、事を起こしてしまい申し訳ございませんでした。｣
｢いや。君の判断は的確だった。カメラも、すまなかったな。｣
桐島の謝罪に看守長は悲しそうに目を細めて、薄く笑った。
ああ、四桜はこの笑顔が嫌いで、私にあの笑顔を見せるなと言ったんだろうか。と年明け前のことを思い出す。
｢いえ。それでは私は逃げ遅れた囚人を回収して参ります。｣
｢ああ、頼んだ。｣
その場を立ち去り、塀から落ちている途中だった11番と69番を容易く捕まえる。二人を脇に抱えた。
｢サンキューA。死ぬとこだったぜ。｣
｢Aさん…！｣
69番や11番を立たせて出口を説明して、また違う囚人を助けに向かう。
崩れた瓦礫の間に挟まれていた者や、恐怖で歩けない者を助ける。そんな一人で移動出来ない者をその舎房の看守に預けた。
看守長の元へ戻ってくると、看守長は焦って桐島に言い放った。
｢双六を止めろ！必要以上の捕縛活動だ。｣
｢御意。｣
双六は既に抵抗をやめている15番をなお、殴り続けていた。正気を失っているようにも見えて、桐島は双六に飛び蹴りを決めた。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
