神々の昔話 ページ23
※実在しません
｢桐島神宮｣。
それは皇室と共に神代まで遡る家系の神宮だ。
代々、皇室に仕える家系だったのだが、時を経て宮内庁が出来、桐島家の役割は無くなった。
神代の話をするならば、それは一途な神の話だ。
天照大御神に恋をして、神の長い長い命の時間の中で一途に思い続けた一柱の神がいた。
大桐造尊は
ある時、大桐造尊は
仕事といっても、紀元前の話だ。神として生まれたばかりの大桐造尊は畑を耕したり、自らを生み出した月読命の手伝いをしたりしていた。
｢これを天照大御神に渡してくれ。｣
そう言われて渡されたのは、これからこの神々の住まう島の未来をどうするか、という案がまとめられた資料だった。
｢天照大御神に…ですか？いいんですか、私が行っても…。｣
神と言っても天照大御神は最高神。天照大御神の弟分である月読命の手伝いをしているからといって、階級差は果てしないものだ。
｢ああ…。御神は階級など気にしない。急ぎだ。頼んだぞ。｣
｢御意。｣
月読命はあまりに当たり前のように言うので、気にせず大桐造尊は神殿の最奥に歩を進めた。
｢月読命の使者、大桐造尊と申します。お渡しするものがありますので参りました。｣
声を張り上げて、引き戸の前で大桐造尊は言った。この引き戸の奥には最高神の天照大御神が御座す。緊張感で声が震えた。
｢入りなさい。｣
部屋の中から凛とした張りのある、しかし鈴の鳴るような可憐な声で、言われた。
｢失礼致します。｣
頭を下げて引き戸を開けて、立ち入る。
すぐに閉める。
身体が硬直した。
何か御神に術でもかけられたかと思ったがそんなことは無かった。
ただ、見惚れていた。
絹のようにやわらかで艶のある長い長い黒髪。雪のような輝く白さを放つ肌。淡い桃色の小ぶりな唇。優しげに垂れ下がった金剛石をはめ込んだような瞳。
ただ、美しかった。
｢…ふふ。呆けてしまっていますよ？｣
｢も、申し訳ございません。｣
｢資料はこちら？｣
自分に走り寄ってくる、天照大御神の姿に、射抜かれた。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
