新年大会の幕開け ページ21
｢只今より、南波刑務所恒例行事、新年大会を開宴する！｣
看守長が高らかに宣言する。
あの看守長の輝くように美しい青色の髪はとても憧れている。あんな素晴らしいキューティクルあるのか。
なんて桐島は考えながらボーッとその時を過ごしていた。
｢Aちゃん！あの人名前なんて言うの？！｣
25番が桐島の元へ駆け寄って問う。
きっと双六が面倒くさがって教えなかったのだろう。…あ、双六主任、青筋浮き出てる。と横目で盗み見ながら、桐島は答える。
｢南波刑務所看守長、百式百子看守長だ。見ての通り女性だが、ここではきっと最も力を持っていらっしゃるはずだ。｣
｢そうだ。だからあんま変なことは仕出かすなよ。｣
25番につられて他の囚人が耳を立てていると、双六がこれまた面倒くさそうに言った。
｢それに、看守長を教祖のように信仰してる看守もいるからな。看守長について余計な気を起こせば、…死ぬ方がマシだと言うような仕打ちを受けることになるだろうな。｣
少し凄んで言って見せれば、何を想像したか知らないが、囚人たちは顔を青白くして、ただ、わかったと頷いた。
その後、出場舎房とその主任看守が顔み合わせをしている間は、なんだが注目を一心に集める双六に腹が立って遠くから眺めるだけだった。
｢まず最初の第一種目は、書き初めだ！｣
一声のアナウンスが響き渡る。
双六はそんなこと気にもしないようにお題が出された瞬間、準備されていた筆を取った。
正座して、机の上でさらさらと流れるように書き連ねる。謹賀新年、なんて書きづらい字をいとも簡単に書いていく。
種目に参加できない桐島はただ双六を見つめていた。
いつもより真っ直ぐに見据えたダークレッドが紙に注がれる。
そういえば私、この目に一目惚れしたんだよなぁと感傷に浸りながら見る。横顔の造形が非常に美しい。傷も酷く似合ってしまっていて、見惚れた。
｢…っし。出来た。で、なんだ？A。やけに俺を見ていたが。｣
ニヤニヤして双六は桐島を見る。
桐島はそんな視線を受けて、さも当然の如く言い放った。
｢双六主任がとても綺麗でしたので、少し見惚れてしました。｣
その次の瞬間、十三房の囚人たちと七夕がゴンッと床や机に頭を打ち付けていた。
桐島は心配になりながらも終了時間を示すアナウンスに気を取られて看守たちを急かした。
｢あっ、もう見せないとダメだそうですよ。本部はあちらです。｣
｢お、おう。｣
双六は紙を本部側に掲げた。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
