桐島の仕事 ※過激 ページ3
｢出せ、出せ出せ出せ出せ。出せだせだせダせ、だせ！！｣
｢ひぃっ！｣
目を抉り取られ、足、手とも爪は剥がされ、足は捻り曲げられて人の原型を留めない死刑囚は唸るように怒鳴った。
新人のまだ若そうな看守は恐怖をなして、尻もちをつく。
すると庇うわけでもないが、その死刑囚を前にして、女性の看守━━桐島Aは歩み寄る。
｢残念だが、残りのお前の生きる時間の中で、外に出る機会など一度たりとも訪れない。お前の犯した罪の重さを背負って死ねるんだ。良かったじゃないか。
罪を背負って生きる苦しみを知らずに済むのだからなぁ。｣
言葉に似合わない、綺麗な笑顔を見せて、桐島は言う。
先程の態度とは打って変わって怯えたように死刑囚は檻から仰け反って後ずさる。
それでも死刑囚を追い詰める如く、桐島は扉を開けて檻の中に入った。勿論入ったあと鍵をかけるのも忘れずに。
｢さぁお勉強の時間だ。
459番。お前は一体何人を殺めた？言ってみろ。｣
死刑囚は震えて声が出ない。
｢…無回答。じゃあ教えてやろう。私が今からお前を殴る回数がその人数だよ。｣
ドスッ、ガッ、などと人の体からは聞こえてはいけないような音が地下牢に響く。
新人の看守の恐怖心はもはや死刑囚に怯えているのではなく、その暴行を無表情でやってのける、桐島に向けられていた。
｢計14回。ここ、日本の刑法では3人以上殺めたら死刑なんだよ。よくもまぁ出せだなんてのたまったな。大丈夫だ。もうすぐお前は出れるよ。
死刑執行日が近付いている。｣
意識の薄い死刑囚はぎりぎり言葉を理解したようで、絶望したようについに気を失った。
牢獄から出てきた桐島は新人看守に今気付いたように話しかけた。
｢ああ、そういえば、君。新人だったな。あんまりここに近付くんじゃない。ここは、上みたいに平和な世界じゃない。
さっき私の行動を見て分かっただろう？｣
そう、ここ、南波刑務所の地下牢は死刑囚や凶悪な犯罪者が投獄されている。普通の囚人に対応するやり方ではやっていけない。
だから、こうした暴行が黙認されている。
この美しい女は、この地下牢を支配する女帝。
ひとり、地下牢の看守室。
桐島は悲しんでいた。
毎日のように人に手を上げる自分が嫌で仕方がなかった。
それでも、桐島はずっとそうしてきた。
囚人と看守は分かりあってはいけない。地下牢であるならばなおさらである。
仕事であるなら、絶対である。
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よいよいの宵さん(プロフ) - 更新頑張って欲しいのですが最後のお話で終わりとあるんですがもう更新なさらないのですか？ (2023年1月24日 2時) (
レス) @page28 id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの旅人G - 物凄く好き、続き希望 (2022年5月5日 19時) (レス) @page28 id: f9e800024f (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - んーと、これってもう更新されないんでしょうか？ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
コヤマドゥ。(プロフ) - みさきさん、零印さん、いつも応援して頂きありがとうございます！夏休みも後半に入りましたので、もっと更新は遅くなると思います。出来るだけ頑張ります。いつもありがとうございます！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: fc2aad84a9 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 勉強合宿お疲れ様です！これからも楽しく読ませていただきます♪ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コヤマドゥ。 | 作成日時：2019年7月21日 18時
