もしあなたが【短編２】

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オフィス設定


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「Aちゃん」


『...はい』


「お昼一緒に行こう」


『私まだ仕事が』


「ご飯奢るからさ」


『すいません』


「上司が誘ってるのに断るの」


『いえ、でも』


「行くよね？」



鬱陶しいくらい絡んでくるのは上司
妻子持ちおじさんのくせして
女性社員にセクハラに近い言動で
しつこくご飯を誘ってくる。

上司は私の肩に手を回し
加齢臭のする身体を擦り寄せてきた。


気持ち悪い



『本当に仕事が』


「そんなの昼食後でいいよ」


『でも「部長〜すいません」


「Aは今日俺と昼食行く予定なんですよ」


『......長野さん』


「仕事の打ち合わせも兼ねてるんで、すいません」


「ふーん」



助けてくれたのは先輩の長野さん
無理やり私と上司の間に入り込み
起点を利かし助けてくれた。


ツルのように絡まった腕は離れ
上司は別の標的を探しに行った。



「大丈夫か」


『...はい』


「じゃあ行こう」


『え、どこに？』


「昼食」



そう言って彼は私の腕を引き歩き出す。


あまりに力が強すぎて抵抗できず
私はされるがまま彼について行く








.







『んぅ』


「A」


『はぁっ...ひさっ』


「A、口開けて」


『んぁ』



彼は私の制止を聞いてくれない
舌を絡めさらに深い口付けをしてくる


連れられ到着した場所は
誰も使ってない会議室


部屋に鍵をかけた彼は
職場の先輩ではなく、恋人の久義
バレンタインがきっかけでお付き合いしてる。


会議室に入ってから数十分
ここが会社だと忘れてしまうくらい
彼からの口付けがとまらない。



「あ」


『どうかした？』


「...くさい」


『え』


「あいつAに体寄せただろ、においがする」


『私加齢臭がするの？』


「髪の毛からする」


『最悪』



サイドの髪を手に取り嗅ぐと加齢臭が

自分の身体から加齢臭がすることに寒気がする
彼にこれ以上このにおいを嗅いで欲しくない

久義から離れると
すくに手を引かれまた抱き着かれた。



「あいつの臭いを消す」


『...ありがと』


「俺の匂い移らないかな」


『会社の人にバレちゃうよ？』


「Aに変な虫が寄らなくなるならバレていい」


『意外と独占欲強いんだね』


「...引いた？」


『全然、もっと好きになった』


「A〜！」




お互いに顔を寄せ笑い合い
また唇を重ねる。


結局お昼休憩ギリギリまで
久義とくっついていた。

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