もしあなたが【短編２】

Sh#5 or Sh#51 ページ2

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オフィス設定


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「A」


『はい』


「やり直し」


『え、どの部分ですか？』


「これ全部」


『全部ですか！』


「返事は」


『...分かりました』


「明日の朝までな」


『え』



仲のいい同僚達とお昼休憩中
ズカズカと部屋に入ってきた上司は
私に書類を投げ颯爽と出て行った。


１週間かけて制作した書類は添削され
たくさんの修正マークが付けられている。


明日の朝までなんて無茶苦茶な要望した
鬼上司の背中をバレないように睨む



「大丈夫？」


『...うん』


「松田さんってAにだけ厳しいよね」


「あーそれ思った」


『そうかな？』


「あんな無茶な要求されたことないよ」


「むしろミスしたら励ましてくれるよね」


「アドバイスくれるし」


『......されたことない』


「修正したらたくさん褒めてくれるよねー」


「頑張ったなってお菓子くれたこともあるよ」


『へぇーいいな』



励まされたこともアドバイスもお菓子も
そんなことされたことないから
ちょっと羨ましい


励ましてくれなくていいから
もう少し優しくして欲しいな


そんなことを思いながら仕事に取りかかる為に
残りのおにぎりを口に入れ立ち上がる。


そのままお弁当を持って部屋を出ようするが
目の前に突然壁ができ立ち止まる。



「A」


『むっえはやしくん』


「口に入れすぎ、リスかよ」


『...うに？』


「うに？」


『ゲホッ、んっ、なに？』


「修正手伝う」


『聞いてたんだ』


「...............」


『大丈夫だよ、ありがとう』



上林くんは表情を変えないまま頷き
背の低い私の頭を荒く撫でた。


“がんばれよ”と言い残しその場を立ち去った彼は
無愛想だけど優しい同期


背が高く無駄に肌が綺麗
何故か私のことを気にかけてくれて
よく仕事を手伝ってくれる



「上林くんってAにだけ優しいよね」


『またその話？』


「本当に付き合ってないの？」


『付き合ってないよ』


「本当かなー」


『同期ってだけ』


「えー私も同期なのにー」


「優しくされたことなーい」


『はいはい』




不満を漏らす彼女たちを置いて
私は自分のデスクに戻った。





-選択-




✿定時で帰宅→Sh#5
❀残業→Sh#51







✽+†+✽――✽+†+✽



プロスピ実況コンビ
動画が可愛すぎて

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