もしあなたが【短編】 (ページ41)

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少しカサついた唇が私の唇に重なった

何秒か経った後、唇が離れ

目を開けると明石さんと目が合った
私はもっとして欲しくて目をつむる

すぐにまた唇が重る
今度は少し啄まれるような口付け

私もお返しに啄むと明石さんの舌が
口の中に入ってきた

舌が絡め取られ

唾液が行き来する音が部屋に響く

お互いに吐息をもらしながら
さらに舌を絡める

しばらくしてお互いに唇を離す

息を整えながら熱がこもった目で
お互いに見つめ合う

「A」

『............』

「もう１回」

『はい』

「...いたっ」

目をつむり唇を待っていたら
突然明石さんが声を上げて
驚いて目を開ける

苦笑いしながら手を見つめている

まさか

『もしかしてサクラが』

「大丈夫、甘噛みだから」

『すいません！』

「大丈夫」

『こらサクラ！』

私が怒ると彼女は少し
ムッとした表情をしながら
明石さんのお腹に顔を埋めた

恋敵がこんなに近くにいるなんて

抵抗して私も明石さんの首元に顔を埋めた

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日付けが変わる前に
明石さんを玄関で見送る

名残惜しいけど明日も仕事だから

「今日はありがとう」

『いえいえ』

「週末また来てもいい？」

『もちろんです！』

「よかった、サクラまた週末に会おうね」

明石さんはしゃがみ込んでサクラを撫でる
その姿を見つめながら明石さんにコートを渡す

「ありがとう」

『私にも構ってくださいね』

「おいで」

腰に手を回され
また口付けをされる

私は背伸びをして明石さんの首に手を回し
口付けを受け入れる

「週末たくさんしよう」

『会社じゃできないですもんね』

「俺はしてもいいけど『ダメです』

「...なら週末まで我慢する」

『はい』

軽くまた口付けをして離れる

明石さんはコートを着て
私はサクラを抱きかかえる

「じゃあ明日会社で」

『はい、おやすみなさい』

「おやすみ」

扉が閉まったことを確認して
チェーンロックをして鍵を閉める

『サクラありがとう！』

腕の中にいるサクラにお礼を言う

明日仕事帰りに彼女の為に
いつもより高い猫缶を買ってあげよう

あなたのおかげで少し早い春が来ました

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２.２２
にゃんにゃんにゃん
猫の日と知って急いで書きました！

パロディ設定にする必要は全くなかったんですが
キャンプ中の選手を家に招くのは難しかったので
無理やりパロディ設定にしちゃいました(;_;)