Thirty 夕日のジンクス ページ31
ザッザッ………
『………！』
「もう……わかったよ◆」
砂浜の近付く足音と共に後ろから抱きしめられる。
下を見ると、ヒソカの履いてた赤いサンダル。
『ひそ、』
「もう日の入りしちゃうよ……急ごう♠」
『……ひゃ、』
そんな言葉の後に、ふわりと足が地面から離れる。
そして、軽々と近くの岩に飛び移って、そこへ座る。
「ほら……日が沈む」
『………わ……』
ゆったりと日が沈む。
…最後の一欠片が水平線に沈む時、手を重ねられて。
えっ、と隣を見れば、何食わぬ顔してヒソカは消える夕日の先を見ていた。
『……ありがとう、ヒソカ』
「ボクに隠れて泣くから、しょうがなくね♥」
『泣いてないし、あほ』
「でも、何でそんなに夕日が見たかったんだい？◆」
『……いや、それは』
「ま、知ってるんだけど♠」
……え？
何だかとんでもない事を聞いてしまった気がする。
『し……知ってたの！？』
「海の家で言ってたからね♥」
『じゃ、何であんな頑なに嫌って……！』
「だって嫌だったから♠」
とんでもないの次は、訳がわからない。
全く持って理不尽な答えに首をかしげると、重ねられていた手をきゅ、と握られて。
「ジンクスとか、そういうのでボクとAの関係を結びつけたくなかったから♠
ボクはこんなものなくたって、君を幸せに出来る自信があったし、君と幸せになれる自信もある♧
なのにAはボクの気も知らないで駄々こねちゃって……そりゃこっちも意地張っちゃうよ♥」
『……えーと、つまり？』
「ボクは君が思ってるより、君の事好きな自信があるって事♥」
……何となく言いたい事はわかる、気がする。
つまり、この人は。
『一生かけて、私の事好きなんだね？』
「うん。当たり前だよ◆」
『〜〜……』
「わっ……いきなりどうしたんだい？◆」
何だかすごく愛しくなって、ヒソカに思いっきり抱きついた。
私の大好きなヒソカの香り。
大好きな赤色が。大好きな声が。
私の体がヒソカに包まれる。
『ヒソカ』
「ん？」
『………好、き』
「―……」
勇気を振り絞ってそう言えば
ヒソカの赤が強くなって。
何も言わないヒソカが、何だか恥ずかしくて。
私も、ヒソカの胸板に顔を埋めた。
―…見ていたのは、海だけ。
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おそらまめ@個人経営(プロフ) - れおなさん» うわあああ素敵なコメントを頂いて僕も嬉しい限りです…！また機会があればヒソカの新作作りたいと思ってるのでその時も是非お願いしますね！ (2017年12月14日 6時) (
レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
れおな - 素晴らしいヒソカをありがとうございますほんとにもうわたしの好み理想どストライクなヒソカでしたおかげで明日も生きていけます本当にこんな素敵な作品を生み出してくださってありがとうございますうぅう(落ち着け) (2017年12月12日 19時) (レス) id: 3fff1d4b8d (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - みさん» もう最後はめちゃくちゃ詰め込みましたけれども…！ 最後までお読みいただきありがとうございました！！ (2016年11月6日 23時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
み - なんだかんだ幸せな感じで終わってて面白かった！ (2016年10月17日 10時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - hshshshsさん» わぁ…！ 何て嬉しい褒め言葉でしょうか…。ありがとうございます、更新頑張ります！ (2016年8月24日 7時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2016年2月1日 0時
