Thirtyone おかえりの時間 ページ32
『か……っかえろう、かな！』
「えぇ？ せっかくAが日の入りを見たいって言ったのに、余韻に浸らず……」
『だ、だってもう暗いしね！』
「……日の入りしたからね？♥」
何だか恥ずかしくなって抱きしめていた手を離す。
そしたら、許してくれないようにヒソカが離してくれない。
一方的に抱きしめられる形になって。いや、いつもそうなんだけど。
『………………クロロ達も、待ってるよ』
「ん……もうちょっとだけ◆」
『顔、赤いよ』
「気のせいじゃない？♠」
『……帰りたくない』
「……ん、◆」
そう言うと、更にぎゅ、と抱きしめられる。
まるで、“ボクも”って言ってるみたいだ。
だけど、さすがに暗くなってきて、遠くの方でクロロが私たちを呼んだ。
「おぉーいお前ら〜
いちゃいちゃするのはいいけどそろそろ帰るぞ」
「……潮に流されて永遠を共にするのもいいけどね」
『いや、イルミ怖い！』
今回はこの二人に助けられたことにしよう。
……別に特に何もしてないんだけどね。
ヒソカが先に飛び降りて、私を下から迎えてくれる。
思いっきりジャンプすれば、軽々と私を受け止めてくれた。
「怪我はない？◆」
『うん』
「じゃ、下ろすよ」
地面に足が着いた瞬間、すごい潮の流れでよたついた。
しっかりとヒソカが手を掴んでくれたおかげで流されなかった。
『あぶない、本当に流されるところだった』
「Aとならどこへ逝ってもいいけどね♥」
『ちがう、そうじゃない』
結局、さっきまでの雰囲気はぶち壊して
いつもの私たちに戻る。
それに酷く安心して、私はヒソカの手を握った。
「……やっぱり、今日は何だか積極的だね？◆」
『やっぱりって？』
「さっきも抱きついてきたじゃないか♠」
『あれは雰囲気に流されたのよ』
「ま、ボクもそうだけどね♥」
クロロの車に乗り込んでゆったりとそんな話をする。
……クロロが、海辺を通りながら帰ってくれているのには気づかないふり。
『また、行きたいなぁ』
「じゃ、今度は俺と二人で……」
「クロロ、殺すよ◆」
「冗談に決まってんだろ、……はは」
そんな会話をして、車窓の外を覗くともう海は遠ざかっていって。
『……またね』
ぎゃあぎゃあとうるさい車内に、私の呟きは消えた。
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おそらまめ@個人経営(プロフ) - れおなさん» うわあああ素敵なコメントを頂いて僕も嬉しい限りです…！また機会があればヒソカの新作作りたいと思ってるのでその時も是非お願いしますね！ (2017年12月14日 6時) (
レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
れおな - 素晴らしいヒソカをありがとうございますほんとにもうわたしの好み理想どストライクなヒソカでしたおかげで明日も生きていけます本当にこんな素敵な作品を生み出してくださってありがとうございますうぅう(落ち着け) (2017年12月12日 19時) (レス) id: 3fff1d4b8d (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - みさん» もう最後はめちゃくちゃ詰め込みましたけれども…！ 最後までお読みいただきありがとうございました！！ (2016年11月6日 23時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
み - なんだかんだ幸せな感じで終わってて面白かった！ (2016年10月17日 10時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - hshshshsさん» わぁ…！ 何て嬉しい褒め言葉でしょうか…。ありがとうございます、更新頑張ります！ (2016年8月24日 7時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2016年2月1日 0時
