134羽 ページ4
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その後もどんどん点を取り続けた。やはり全国区のエースを要する梟谷や、抜群のレシーブ能力を誇る音駒、様々な強豪と試合をしたからであろうか、その動きは今までより洗練されたものに見える。
そして16対23のとき、影山のサーブが回ってきた。高く上げられたサーブトスから放たれる強烈なジャンプサーブ。それはレシーバーの手には当たって遠くに吹き飛んだ。
「っしゃ!!」
今の影山のサービスエースのおかげで16対24。烏野のマッチポイントだ。
「(皆いつもより凄く調子いい。旭さんと田中さんのスパイク、澤村さんと西谷さんのレシーブ、月島のブロックも影山のトスも……それにもちろん。)」
繋がれて日向に託されたボールは豪快な音とともにコートにたたきつけられた。
「(翔陽だって今までどおりじゃない。)」
その1点によって16対25、烏野は1セット目を先取する形となった。
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少しの休憩の後、2セット目が開始した。烏野の調子は落ちることなく、現在試合は22対13。烏野は広く点差を保ったままここまでやってきた。
「……やっぱり3年生の気合が凄いよね。」
「え?」
「絶対全国行って、もう堕ちた強豪なんて呼ばせねぇって思い……凄く伝わってくるの。肌がピリピリするくらい。」
谷地にそういったAは興奮と喜びに満ちていて、まるで無邪気な子供のような顔つきだった。
影山のサービスエースがきまる。これで烏野は2セット目のマッチポイントに差し掛かった。
続けて放たれる影山の2本目。リベロが取ったそのボールはコート外へ飛んでいく――まるでそれはスローモーションのように、扇南の1番にはうつった。
絶対に落として溜まるかと、それを全力で追いかける。他のことなどどうでも良い、今この目の前にあるボールをつなぐことが重要なのだ。
「ラスト!つなげぇぇぇ!!」
なんとかボールをつないで男が叫んだ。スパイクまで持ち込むも拾われ、扇南は田中のスパイクをさらに拾う。
「まだまだァァ!!」
「ラスト!よこせ!!」
1番の打ったスパイクを東峰が拾う。その刹那、1番の男の視界には移動する日向がうつった。
「(土壇場の集中力で翔陽を見逃さなかったのは凄い。でも、翔陽の動きを目で追った時点で。)」
日向の手から放たれたスパイクは大きな音を鳴らしてコートにたたきつけられた。
「(もう、追いつけない。)」
試合終了のホイッスル笛が鳴って、勝利した烏野メンバーは大きく叫んだ。
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もち - 初コメ失礼します。あの、セットポイントとマッチポイントの違いはご存知ですか?所々間違っています。凄腕マネという設定なら、そういうのはキチンとされた方が良いのでは…? (2020年8月9日 13時) (レス) id: 9c382bbadc (このIDを非表示/違反報告)
美衣(プロフ) - 135話で、角川の長身選手の身長が1ヶ所だけ間違えて書いてあります。 (2019年8月24日 11時) (レス) id: 17d30bab42 (このIDを非表示/違反報告)
魂祐 - 黄金川が正しいです (2017年6月6日 11時) (レス) id: f41f51613c (このIDを非表示/違反報告)
rina(プロフ) - 面白いです!155羽はどこに行ったんですか? (2017年1月27日 23時) (レス) id: b2365399a8 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔 - 雪氷さん» 楽しみに……!ありがとうございます!光栄でござる(*´`)← 好きと言ってもらえて嬉しいです!投票もコメントもありがとうございます!! (2016年8月9日 23時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年8月4日 4時