嫌いじゃないのに、

・・・ ページ17

お揃いのカチューシャを付け、いろんなところを見て回る二人。


そう、一言も喋らず。


「さっきから二人とも、一言も喋ってないんだけど…」

「うーん……かなり危ないねぇ…」


司はなにか話題を考えている様子だが、Aはぼーっと辺りを見回していた

「よ、夜になったら、イルミネーションが見れるそうだが…」

司はどもりながらも勇気を出してAに話しかけた

『へー、いいね、見ようよ』


そう笑いかけるAに、心臓がどんどんうるさくなっていく


それと同時に、今だけ彼女を独占できているという優越感に浸れた


それはそうと、クリスマスだからか、ヤケに人が多くてすぐにはぐれてしまいそうだな、と司は考える


Aはなにを考えているのかわからない表情でふらふらと司の隣を歩いている

司は心配そうにAをチラチラと見ながら歩く


すると…

『おっと…』

Aは人とぶつかり、体制を崩してしまい転びそうになる


「…！A！」

司は咄嗟に体が動き、Aを自分の胸に抱き寄せていた


『…！？』



それを、大盛り上がりで見守る3人。類、えむ、寧々。


「やるじゃん、司」

「さすが未来のスターだねぇ」

「司くんかっこい〜っ！！」

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