兄の溺愛っぷりが異常な件__2

救世主 ページ20

『…あ、天馬さん。こっちです』

「ま、待たせてしまってすまない……」

ぜぇ、と息を整える天馬さんに、気にしないでと励ますように会釈をする。

『私も今来たところです。
えっと……頼れるの天馬さんしかいなかったので……寧ろすみません』

「…なっ……」

ボボボッと、一気にリンゴのように真っ赤な顔になる天馬さん。

…今日は、もう少しで誕生日を迎える兄の誕生日プレゼントを選ぼうと思い、いろんな人にプレゼントを選ぶのを手伝ってもらおうと声をかけたのだが……

青柳さんは、東雲さんとライブで無理、白石さんと小豆沢さんもライブ…

寧々はオンラインゲームの大会で無理、鳳さんは着ぐるみさんとのショーで無理


そんな私に救世主。
快く引き受けてくれた天馬さん。


「……それにしても、お前一人では選ばないのか？」

『そうですね。私…誕生日プレゼントとかよく分からなくて、一人で選ぶってなると…毎回同じようなハンカチとかにしちゃうんです。』

毎年ハンカチだったから、せめて今回はちゃんとしたプレゼントを渡したい。


「な…なるほどな…(確かに……Aはそういうのが苦手そうだしな)」


兄は喜んでくれるけど……私は知ってる。

この前兄の部屋を掃除しにいった時……
私が今まで、兄の誕生日にあげたハンカチが大量に…しかも、無駄に綺麗に畳まれて保存されていたところを。


せめて使って欲しい。いや、毎年同じようなハンカチ渡す私も悪いけど

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