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five ページ9

no-side


コナンは恐る恐るケースを覗き込んだ



安室もその場をじっと見つめる



そこにあったのは



「フルート…」



『Yes!これはただのフルートケース。とても綺麗でしょう?』



モルトはサングラスをとり微笑んだ



その笑顔に思わずコナンはたじろぐ。



「う、うん!ありがとうお姉さん!」



コナンが席を離れた後、モルトは安室の方へ振り返った



安室の近くまで行くと、彼女は耳元に近づき、こう囁いた



『貴方がNOCだと疑われてる。ジンに呼び出されても絶対行ってはダメ。疑いを、晴らすのよ。』



「っ!」



安室は弾き返されたように彼女を見つめた



黒い瞳に釘付けになる。



『Good luck.』



モルトは店から出ていこうとした



そして、彼と会うのは金輪際これで終わり、もう関わらない、そう心に決めたのだ



その時だった



安室はモルトの手と、フルートケースを取り、店から出て行った



モルトは訳が分からず、ただ彼について行く



路地に入ると、モルトの背中を壁につける形で彼女を見つめた



所謂、壁ドンというやつである



「なぜ、それを僕に?君は、一体なんなんだ?」



安室は疑問をモルトにぶつける



自分がNOCだと疑われても彼女には関係のない話だ



ましてやそれを自分に言うなんて



モルトが完全な黒であれば、仲間を守るなんてことはしないはずなのに



『…それは、気まぐれよ』



モルトはぶっきらぼうに呟く



「なぁ、僕は君のことをちゃんと知りたいんだ。僕はスコッチに言われて、組織で君さえ生きていてくれればそれで良いと思っていた。こうして会えて、すごく嬉しいんだ。そこまで、秘密にしないでくれ…」



安室自身、こんなことを言うなんてすごく驚いていた。



モルトもまた、自分のことをこんなふうに思っていたなんて思いもしなかった



「答えてくれ、モルト」



それが合図かのように、モルトは安室を抱きしめた



「!?」



普段なら突き放そうとする彼も、何故か彼女は突き放せない



『バーボン、それはまだ言えないの。Up to that time, waiting for me……』



それだけ言うと、モルトは安室から離れ、ケースを持ってどこかへ行ってしまった。




残された安室は、しばらくその場から離れられなかった。




「(この感情はなんなんだ…なんで…)」



「クソっ!!!」



彼は壁を叩いた。

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RURU(プロフ) - 初めまして!この作品とっても気に入ってます!更新されるまで待っているので頑張って下さい。 (2018年9月30日 9時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜都 | 作成日時:2018年8月16日 18時

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