青空のウエディングドレス 3 ページ3
お父さんと腕を組みながら二人でチャペルの大きな扉の前に立つ。
ちらっとお父さんを横目で盗み見たら緊張した面持ちをしているのがはっきり分かった。
「緊張するね」
「ん？そうだなぁ」
「寂しい？私がお嫁に行くの」
「まぁそりゃな、でも相手がてつやくんだからなぁ、あまり悲しくはないよ。どちらかと言えばお前の方がちゃんと奥さんできるか心配だ」
「もう、何よそれ」
お母さんといいお父さんといい、娘のことなんだと思ってるんだろ。
式直前でまさかこんなにもやもやさせられるとは思わなかった。
ちょっとむっとしている私に、お父さんが優しい微笑を浮かべる。
「良かったなぁ、てつやくんと一緒になれて」
「え、そうかなぁ…」
「てつやくんなら絶対Aを幸せにしてくれる、だから父さんは本当に安心しているんだ」
それを聞いてつい顔が緩んでしまった。
「それでは中へお願いします」
その言葉と共に私達の目の前の大きな扉が音を立ててゆっくり開く。
お父さんと私は一歩前へ進むと参列者に一礼し顔を上げた。
その中には、親族や友人に混じって笑顔のメンバーがいる。
りょうくん。
としみつ。
しばゆー。
ゆめまる。
ざわくん。
みんなの姿を見て一気に涙が込み上げた。
そして、一番奥の祭壇の前にはてつや。
てつやへ続くバージンロードをお父さんと私は一歩ずつ、ゆっくり進んでいく。
なんだか今頃になって実感した。
私はてつやの「お嫁さん」になったんだ。
目の前で立ち止まると、お父さんが私の手を取りそっとてつやへ差し出した。
「てつやくん、Aをよろしく頼むよ」
お父さんからのそんな言葉にてつやが真面目な顔をして頷いた。
「はい」
お父さんから私の手を取るとてつやが私を見つめて微笑んだ。
その笑顔に答えて私も心からの笑顔をてつやに送る。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
