Everything 3 ページ12
「てつや、どうしたの？」
「…我慢できなかった、もう少しで俺マジあいつのことぶん殴るところだった」
「うん…」
「A、抱いていいか？」
「え、てつや？」
「抱きたい、お前のこと。今すぐ…」
てつやはもう私の言葉は待ってくれなかった。
そのまま後ろから私の髪を手ですくい、そっと首筋に唇を這わせてくる。
思わず私の身体がそれに反応して小さく喘いでしまった。
「んっ」
「A、A…」
囁くように名前を呼ばれて首筋を何度も何度も這う唇に私の身体から力が抜けていった。
気づけばてつやの両手が私の胸元に触れている。
私は瞳を固く瞑って、てつやの動きをただ受け止めた。
二人、裸のまま重なる肌が熱かった。
てつやに突き上げられる度に私の口から漏れる喘ぎ。
「あっ、あぁっ」
こんな声どこから出るの…
重ね合う体、繋ぐ手と手。
そして、揺れながら触れる唇。
瞳を開くと目の前にある、てつやの切なげな表情に胸の鼓動が高鳴った。
「んっ、てつや…」
名前を呼ぶと動きを止めて顔を覗き込んでくる。
てつやの手がそっと私の前髪に触れた。
「どうした、キツいか？」
「…ううん」
私は首を横に振る、と同時に涙が一気に溢れ出した。
「泣くなよ、悪かった。それならもっと優しく…」
「違う、違うのっ」
涙を両手で必死に拭って、私は上になってるてつやを見つめた。
私のことを見て心配そうにしているてつやにまた涙が出そうになるけれど、それを堪えて私は話し出した。
「私ね、あの頃…あいつにこういうことされながら、いつもてつやのこと考えてた」
私の言葉をてつやは真剣な表情で、でも優しい眼差しを向けながら黙って聞いている。
我慢出来ずに私の頬をまた涙が伝う。
「てつやのこと思い出していなかったら、私はあの行為に耐えられなかった。好きじゃない人の手で自分がどんどん汚されていくのが分かったから…あいつの言う通りだよ、お古って。だって、私は汚れてるから…私は汚い…」
するとてつやの手が伸びてきて、その手のひらでそっと私の涙を拭ってふと優しく笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
