Everything 4 ページ13
「Aは汚くなんかねぇ、きれいだ」
「え…？」
「すげぇきれいだ、だから今まで手ぇ出せなかったんだよ」
思いもしなかったてつやの言葉に私はひどく驚いていた。
最初なにを言われているのかまったく理解できなかった。
てつやが話を続ける。
「本当はもっとずっと前からAとこうしたかったんだと思う。だけど俺の手できれいなお前を汚すことを躊躇った。そのせいで結局Aを傷つけた…あいつなんかよりむしろずっと最低なのは俺だ」
どうしよう、涙が溢れて止まらない。
それはさっきまでのあいつに向けた悔し涙じゃなくて、てつやに向けての嬉しさの涙。
また手のひらで涙を拭ったその手が今度はそっと私の髪を撫でて、てつやの顔がゆっくりと私に近づいてきた。
そのまま二人の唇が静かに重なり合う。
本当に触れ合うだけのキスをひとつだけして、てつやは離れていった。
「A、俺が忘れさせてやる」
そんな言葉に顔を上げれば、てつやがとても真剣な眼差しで見つめていた。
その表情にまたドキっとする。
「忘れさせてやる、何もかも…」
囁きのあとで再び口付けられる。
深くて熱いそんなキスに頭の中が痺れたみたいになって、それから私の中にいたてつやがまた動き出す。
「一緒にいこう、A…」
固く閉じていた瞳を開きてつやを見る。
てつやの思いに頷いて答えたら、その動きがもっと激しくなった。
最後てつやが小さく喘いで二人を繋ぐ甘いひと時が終わりを告げる。
トクン、トクンって。
合わさる胸の鼓動がそのリズムが、何もかもを包み込んでくれているようでなんだかとても心地よかった。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
