Everything 2 ページ11
やめてよ、てつやの前でそんな風に言わないで。
「こんなキツい女のどこがいいワケ？あぁ、まぁこいつの身体めっちゃいいもんなぁ、やっぱりそういうこと？それかお前ら家隣同士だったよな、近場で適当にお互い妥協した感じ？」
もうやめて‼
心で強く叫んだけれど、いざとなったら声に出せない。
ただてつやの腕を強く握りながら下を向いてこの現状に耐え続けることしか出来ない。
「さっきからなにベラベラくだらねーこと言ってんだ、てめぇは」
冷静だけれど、確実にその声色は怒りに満ちていた。
そっと顔を上げててつやを見たら彼を睨みつけている。
「あ、なんだと？」
「ありがとな、こんないい女とわざわざ別れてくれて。分かってんのかよ、A捨てるとかお前相当なバカだぞ？まぁそのおかげで今こうやって俺の女になってるワケだから、そこは感謝しとくわ」
「なんなんだよっ、お前喧嘩売ってんのか？」
「てめぇとなんか喧嘩する価値もねぇ、さっさと行けよクソが」
てつやはそう吐き捨てると私を少し強引に引っ張るように歩き出した。
私も慌ててそれについていく。
「てつや、てつやっ⁉」
必死で名前を呼んだけれど、なにも答えてはくれなかった。
てつやに連れてこられた場所は町の一角にあるファッションホテルだった。
私は淡々と入室の手続きをするてつやを黙って見つめることしか出来ない。
それから手を繋がれて引かれるがまま、それについていくとある部屋の前で立ち止まる。
てつやが手にしていた鍵で扉を開けるとそれを大きく開いて手で押さえながら入れって私に言った。
てつやに少しだけ視線をやってから言われた通り中に入る。
部屋の中を見渡せば、少し広めの間取りで。
大きなテレビと大きなソファーの前にガラスのテーブル、観葉植物が部屋の隅に置いてある。
その近くに大きめのベッドがあった。
窓のない薄暗い部屋を眺めながら、私の心臓はドキドキしていた。
彼からの心無い言葉を思い出して、そしててつやが私をここへ連れてきたその意味を思って。
その時、扉がバタンって音を立てて閉まった瞬間にてつやが後ろから私を強く抱き締めた。
「A、ごめん」
どうして、てつやが謝るの。
謝まらなければいけないのは私の方なのに。
そんなてつやの真意が分からないまま、さらに腕の力が強くなる。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
