Everything ページ10
現在時刻は夕方6時を回った頃。
市内の繁華街をてつやと二人で並んで歩く。
ちなみに今日は居酒屋デート。
撮影終わり、みんなで久しぶりに飲みに行こうって話になったのに、てつやがいきなり…
「今日はダメだっ、俺はAと二人きりがいいんだよ‼」とか言い出して。
じゃあどうぞご自由にって他のメンバーだけでご飯に行ってしまい、結果てつやと私二人で飲むことになったというワケ。
「ねぇてつや、どのお店がいい？この前行ったところもおいしかったけどぉ、うーんでもあそこも捨てがたいしなぁ…あ、そうだこの前雑誌読んでて気になるとこがあったな。あれどこだったっけ…」
私は鞄からスマホを取り出して検索を始める。
それをつまらなそーにチラッと眺めてふっと小さなため息をつくてつや。
「どこだっていいやん、どうせお前は飲めりゃあなんでもいいんだろ？」
「ちょっとなによその言い方！お酒と私に対して失礼。それにどうせって言うならおいしいお店でおいしい料理とおいしいお酒を楽しみたいでしょ。もーそこのとこ全然分かってないんだから…って聞いてる？ねぇ、てつや！」
「へーへー聞いてますよ」
「真面目に聞けっ」
私がてつやの腕を取りぶーぶー文句を言っていた時だった。
周りをちゃんと見ていなかった私は勢いよくドンってすれ違う人とぶつかってしまった。
それと同時にふらつく私をてつやが咄嗟に支えてくれる。
「きゃっ…す、すみません！」
「いえ、こちらこそすみませんでした…」
慌てて謝りながら相手の顔を見た瞬間、一気に血の気が引いた。
一緒に身体の力が抜けていく。
「あれ、A？お前Aだよな。久しぶりじゃん、元気だったか？」
忘れたくても忘れられない人がそこにいた。
私を長い間苦しめ続けた呪縛そのもの。
あの頃、私を無理やり汚した…
それは初めて付き合った彼だった。
私はすぐに視線を外して俯いた。
身体がいつの間にか小刻みに震えてる。
彼はてつやと腕を組む私達の姿を見てニヤっと笑った。
「なんだそっちてつやじゃん。なに、お前ら付き合ってんの？」
からかうみたいに、おかしそうに笑いながらそう言われたけど私はそれになにも答えられない。
顔が上げられない…
その時てつやが先に口を開いた。
「だったらどうだってんだよ」
「あ、本当に付き合ってんだ。マジかよ、こいつ俺のお古だぜ？いいの、そんな女で」
彼のてつやに言い放った一言に、目の前が暗くなる。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
