いいんじゃない ページ4
沈黙が続くこの空間はなんとも居心地が悪い。
お父さんは腕を組んでじっとしたままだし、お母さんは俯いたまま固まってる。
私達が結婚したいなんて、きっと二人にとったらまさかの事態だろう。
突然のことに頭の中をなんとか整理しているのかもしれない。
そんな中、顔を上げたお母さんがやっと口を開いた。
「みっくんのお父さんお母さんはなんて言ってるの？」
「まだ話してないです。先におじさんとおばさんに挨拶しないとと思って」
「まぁ、そうなの…？」
続けてお父さんも話を切り出してくる。
「結婚自体は反対しないけれど、そんなに焦らなくてもいいんじゃないか？二人共まだ若いんだし、大学をきちんと卒業してからでも遅くはないと思うけどね。その間もっとお互いを知ることも必要なんじゃないかな」
「いえ、あの、Aのことなら充分に分かってます。だから結婚したいって思ったんです。Aが傍にいないと、俺はダメだから」
「いいんじゃない、結婚しても」
お父さんのごもっともな御意見のあとで、みっくんの気持ちを聞いていたお母さんがここでなんと結婚を承諾したから他一同、一斉に驚きを隠しきれない。
「母さん何言ってんだ、それは親としてあまりにも無責任じゃないか？」
「どうして？そりゃ誰かも分からないような人いきなり連れてきたっていうなら話は別だけど、相手みっくんよ？なんの問題もないじゃない」
「いやまぁそうだけれども…」
「遅かれ早かれ結婚するなら、別に今しても私はいいと思うけど。いいじゃんなんか、幼妻って」
「なにを呑気なこと言ってるんだ、母さんは…」
結婚の話をする前はあんなに心配してたお母さんのこと、私はすっかり忘れていた。
この人がひっじょーにリベラルだったということを…
そんなお母さんだから結局、最後は渋々だけれどお父さんも折れてその結果。
「とりあえず、みっくんのご両親と今度両家できちんと話し合おう」
「はい、ありがとうございます！よろしくお願いします！」
お父さんからの言葉を受けて、みっくんは嬉しそうな顔でまた深く頭を下げる。
そんなみっくんにお父さんもお母さんも最後は笑顔になっていた。
「みっくん」
「はい」
「Aを頼んだよ」
「はい！」
お父さんとみっくんのやり取りに自然と目には涙が浮かぶ。
それからみっくんと私は顔を見合わせ微笑み合った。
この話し合いの間、私達はずっと固く手を繋ぎ合っていた。
こうして二人は結婚への第一歩を踏み出したのだった。
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
