ご相談があるのですが ページ24
気が重く、ゆううつな一週間を過ごしその週末。
いつものようにアパートへ向かう…前に某所へとやって来た私。
何処かというと、それはえいちゃんのアパート。
部屋に着きインターホンを押す、すると今開けるとえいちゃんの声がした。
それからすぐに玄関の扉が開いたけれど、なぜか出てきたえいちゃんは、パンイチ姿で鼻には歯磨き粉。
そして極めつけは…
「くっさっ⁈」
「まぁいいから早く入れよ」
「…入りたくない」
仕方なく鼻を指でつまみながらおそるおそる部屋へ侵入。
「ねーまた何やってたの?」
「これだよ、これ」
えいちゃんがテーブルの上の缶詰を指差した。
「コレなんか見たことある…」
「シュールストレミングだ」
よくよく話を聞いてみれば、【激臭】世界一臭い缶詰VS消臭剤×10!!って動画を撮っていたらしい。
さすがえいちゃんだ、私からしたらなんのことやら全く理解できない。
「いやマジ鼻もげたわ」
「そうね、私ももげかけてる」
「で、相談ってなんだよ」
「その前にコレなんとかして」
「それが人にモノを頼んでるヤツの態度かよ」
「あと服も着てよ。てかなんでそんな格好してんの?しかも鼻に歯磨き粉って…」
「服にコイツの匂い付いたら取れねーんだよ。歯磨き粉は臭いを誤魔化す為だ、お前もやるか?」
「いい、やらない」
とりあえず上にタンクトップを着たえいちゃん(できたら下も穿いてほしいんだけど)と、テーブルを挟み向かい合う型で座ったところで話を切り出す。
「あの、学校の友達にみっくん紹介してほしいって言われて、なんて言って断ればいいか困ってるんだけどね」
「は?なんでそんな話、俺にしてくんだよ。みっくんに言えばいーだろ?」
「こんなことで迷惑掛けたくないんだもん」
「俺にはいーのかよ」
「いや、そういうつもりはないんだけど…ごめん」
そう、あの日トウコちゃんにみっくんを紹介してほしいとせがまれてしまったのだ。
とりあえず話はいちをしてみると伝え、その後は曖昧な感じでやり過ごしていたのだけれど。
うまい断り方が見つからず、こうしてえいちゃんに相談しにきたというワケ。
そうだよね、えいちゃんだっていきなりこんな話されても困るよね…
「まったく。だから結婚してるとまで言わなくても、彼女がいるくらい言ってもいーんじゃねぇの?」
「そんなこと言って迷惑にならない?」
「ならねーだろ。だからみっくんにちゃんと話しろよ、お前ら夫婦だろ?どんな些細なことでも隠し事はよくねーぞ」
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました!素敵な時間をありがとうございました! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます!最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます!あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます!!続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください!!!(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえで | 作成日時:2019年4月9日 12時