57. 好きな人って side TETSUYA ページ7
「いかん、やはり手が出せん」
「またか、もういい加減にしろ」
温泉旅行から帰ってきて数日が経ったある日。
目の前に座っているりょうにまた話を切り出した。
そんな俺をりょうはさすがに訝しく思ったらしい。
「旅行失敗したのか？」
「厳密に言えば大成功だ」
「じゃあ手出したんじゃん」
「いや、出してはいない」
「どっちなんだよ…」
「キスまではいった」
「なにしに温泉行ったんだ、お前。まぁそれで満足だって言うなら作戦成功なんじゃね」
「あとな、りょうの言ってた意味が分かった」
「なんだよ」
「Aのことが大切だからビビってるってあれだ」
「へぇ…そうか」
Aの告白で色んなことが俺の中で繋がった気がした。
どうしてあいつが恋愛に対してあんなにスレた考えをしていたのか。
時折冷めた表情でドライな発言をするところも。
「なぁりょう、お前高校の頃Aの好きだった奴知ってるか？」
「あいつだろ、校舎裏でAに告ってたイケメン。それか高2くらいの時に少し付き合ってた二股野郎」
「いや、話聞いたらどうも他に好きな奴いたらしいんだよな…それがまったく思いつかねーんだよ」
そう言って頭をかく俺のことを見て、りょうが肩を震わせ笑い出した。
「おい、なんだよいきなり、真剣な話してんだぞ！」
「それお前のことだろ」
「…はぁ？」
「Aが好きだったのはてつやだよ」
うそだろ…Aが俺のこと好きだったって？
まったく考えてもみなかった。
あまりの衝撃に頭の中は真っ白で、だけど心の中はぐちゃぐちゃだ。
それじゃあ俺のせいじゃねーか、Aのトラウマの原因は…
「マジかよ…」
「まぁお前はあの頃Aの気持ちにも自分の気持ちにも気づいてなかっただろうからな」
「…おい、それシャレになんねーんだよ」
「なんだ、どうしたんだよ。昔のことだろ、結局今はうまくいってんだからいいじゃん」
「そうじゃねぇ…よくねーんだよ…」
「だからなにがだよ、おかしなこと言うなお前」
さすがにこんなことりょうに話せる訳がない。
俺はずっとAが大事だったんだよ。
あいつが傷つくのをみたくないから、守ってやろうっていつも思ってた。
それなのにAを一番傷つけていたのは誰でもない、俺だったんじゃねーか…
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
