エイリアンズ Vol.2【東海オンエア】

95. 未来（最終話） ページ45

「A、おいA！」

私を呼ぶ声で目が覚める。
そっと瞼を開いたら、目の前には私を抱えて心配そうに顔を覗き込んでるてつや。
そして私達を取り囲むようにこちらの様子を伺っているメンバーがいた。

「はぁー良かった、気がついた…」
「…あれ、私どうしたの？」
「どうしたじゃねー、いきなり倒れたんだよ！具合い悪いならちゃんと言えよまったく」
「え、倒れた？」
「大丈夫Aちゃん？貧血かな、やっぱり疲れてるんだよ。今日はもう無理しない方がいい」
「そうだな、Aはゆっくり休んでた方が良さそうだな」
「てつやが色々無理させるからこうなったんだぞ、少しは反省しろよ」
「無理などさせてないぞ！むしろAも喜んで…」
「だから余計なことを言うんじゃない！あ、またクラクラした…」
「大丈夫かA⁉」
「誰のせいだと思ってんのよ」

まったく、いらんことばっかり言うんだからてつやは。

「とにかく今日はもう休んでろ」
「うん…みんなごめんね？」
「そんなこと気にするなよ、Aの体調の方が大事だ」

ゆめまるが優しくそう言ってくれて。

「早く治せよー、待ってっから」

ぶっきらぼうだけどそれがらしいとしみつ。

「ありがとう…」
「そうだぞA。さっさと治さないと今後の子作りにも支障をきたすからな？」
「おい、てつや！お前なんの心配してんだよっ‼」
「ガチのバカだ…」
「ここまでバカだと逆に清々しささえ感じるな」
「見ろよ、Aの顔を。心底呆れた顔してるぜ」
「そりゃそうでしょ」

確かにてつやとメンバー達のやり取りを聞いて呆れてはいたけどね。
やれやれって感じではあったけれど、私は思わず笑ってしまう。

「てつや、言っとくけど当分子作りは結構なんで」
「はぁ？何勝手なこと言ってんだよっ、そんな言い分俺はぜってー認めねーからな！」
「そうじゃないの」
「何がそうじゃねーんだ、意味分かんねー」
「もういるの」
「はぁ？なにが…」
「ここに…」

そう言って微笑むと私はお腹に両手をあてた。
一瞬その場が静まり返る。
それから、私の動作と言葉の意味を理解したメンバーとてつやが一斉に驚きの表情で声を上げた。

「え⁉」
「えぇ‼⁉」
「それって、もしや…」
「マジか…」
「…超びっくりした」
「まぁ、でもめでたい話だよな」



ここは私の一番大切な場所。
こうしてずっとみんなと一緒にいたい。
笑っていたい。
これからも変わらないよね、私達の未来。


end.

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