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81. ご報告 ページ31

撮影でメンバー全員が集まったとある日。
リビングで各々寛いでいるみんなの前にてつやと私は並んで立つ。
顔を見合わせてお互い頷いたのを合図にてつやが話し始めた。

「えー皆様にご報告があります」
「はぁ?なんだよ、てつやいきなり改まって…マジうぜぇな」
「おい、としみつなんだその態度は。ただ話し出しただけでうぜぇはないだろ、うぜぇはっ」
「てつや、話が脱線してる」
「あ、そうだった。皆様にご報告があります!」
「なんだよ、勿体つけずに早く言えよ」
「えーこの度めでたくAと結婚することになりました」

てつやのその一言で、今までそっぽを向いてた全員の視線が一気に私達に向けられた。
私は左手の薬指に光る指輪が見える様に手をかざす。
それを見ていた私の近くのイスに座っているしばゆーがにやっと笑った。

「はーそういうことですか」
「…え、なに?」
「お前らとうとうやったな」
「はい?」
「セック…ぶほっ‼」
「黙れ」

すかさず私はしばゆーの頬にグーパンチ。

「顔が赤いな、A」
「こりゃガチでやったな」
「うわぁ、なんか生々しいな…」
「ちょっと、論点はそこじゃないでしょ!そっちに話持っていくのやめてっ」

絶対こうなると思った。
まだ下世話な話で盛り上がってるメンバーを見て、がっくり肩を落とした時だった。
私の近くまで来ると虫さんが微笑む。

「決断したんだね、おめでとう」
「…ありがとう、虫さん」
「なんだか、ちょっとだけ寂しいね」
「虫さん…」

なんだか二人でしんみりしてしまった。

「まぁ落ち着くところに落ち着いたってことだな」

そう言ってりょうくんが笑ってる。
それを聞いて、てつやが私の肩を抱くと顔を覗き込んできた。

「どうだA、初恋の相手と結婚する感想は?」
「はぁ⁉Aの初恋っててつやだったのか?」
「マジでありえねぇ…」
「世も末だな」
「なんとでも言え、所詮負け犬の遠吠えにすぎん。
でAどうなんだ、嬉しいんだろ?女冥利につきるよなぁ」
「いや〜よりにもよって一番近場の男で手を打つとかつまんねぇ人生だなぁって感じです」
「おいっ、なんだそれは!」


嬉しいに決まってるじゃん。
初恋の相手と結婚できるなんて、そんな夢が本当に叶ったんだから…

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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました!これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは!完結おめでとうございます!てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です!これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます!(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね! (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました!今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです!!!子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´;ω;`) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい!もちろんです!頑張ってください! (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かえで | 作成日時:2018年1月24日 11時

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