第拾漆話 ページ20
炭治郎side
扉を開けると
大きなかさを被った人が立っていた
その人は黒い合羽を着ていて
顔も姿もよく見えなかった
炭「どちら様ですか?」
俺がそう聞くと
その人はかさを取って言った
『旅のものです、一晩泊めてもらえませんか?』
!!
俺は驚いた
なぜなら
その人は二十歳ぐらいの若い女の人で
真っ白い肌に薄く青がかった瞳
まるで物語に出てくるような
美しい人だったからだ
炭「…構いませんが、
狭い家だから休めるかどうか…」
『ほんとですか!!』
その人は俺の手を握って
うれしそうに飛び跳ねた
『さっきから近くの家を10軒ぐらい
あたってたんですが
この雨だからか誰も出てきて
くれなかったんです!』
そう言ってその人はニコニコしていた
俺が家に通すと
『兄妹が多いんですねー』
とその人は禰豆子や他の子たちをみて言った
まだ六太は泣きわめいているし、
他の子たちも不安そうだ
炭「さっきの雷でみんな怖がってしまっていて…」
俺がそういうと
その人は禰豆子が抱えている六太に近づいて
泣いている六太の頭に
優しく手をのせた
!!
その瞬間泣きわめいていた六太は
泣き止んでスヤスヤと寝始めた
禰「すごい!
どうやったんですか!」
禰豆子がそう聞くと
その人は人差し指を立て笑って言った
『ひみつです』
ガタン
風呂場の扉が開いて
風呂を沸かしていた竹雄が出てきた
竹「!!誰だよ、この人!」
炭「旅の人だよ」
俺がそういうと竹雄はため息をついて言った
竹「兄ちゃん、怪しい人をそう簡単に家に
入れたらダメだよ!」
怪しい人?
炭「この人は怪しくないぞ!
旅の人だから!」
竹「じゃあ、なんで旅の人が
左目に包帯巻いてて
刀を持った怪しいかっこしてるんだよ!」
刀?
俺が言われた通りその人を見ると
その人は確かに刀を腰につけていた
炭「え!旅の人じゃなかったんですか?!」
俺がそう聞くとその人は笑って言った
『そういえば、自己紹介がまだでしたね
私は小夜と言います
確かに私は旅人と言うには少し違います
私はある目的を果たすために
各地を転々としています』
ある目的?
『詳しくは話せませんが
この刀はそいつを倒すために使います』
そう言った小夜からは悲しい匂いがした
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作者名:千夜 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2019年4月14日 11時