【マフィア松】長女が欲しい (ページ7)

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地が揺れる。

「キャ―――――！！」

恐怖のあまり叫んでしまった。

しばらくすると揺れが小さくなった。

揺れが収まったころに周りを見ると、今さっきまで近くにいた父の姿が見えなかった。

「母様、父様は…？」

「どこかしら、今さっきまで居たのに...ｯ?!」

周りを見ていた母様は何かに気付き、斜め下を向いたまま顔を青くさせた。

嫌な予感を感じながら、恐る恐る斜め下を見る。

「ｯキャ――――!!」

頭から血を流した父が床に俯せのまま倒れていた。

「いや、いや...!!父様ぁぁあ！！！」

恐怖と悲しさと不安がグルグルと胸の中で暴れまわる。

体が震え、母に抱き付いた。

母は私を優しく抱きしめると、冷静に状況を把握していた。
辺りをきょろきょろと見回すと、目を閉じた。

「母様...？」

声を潜めて言うと「しっ」と言われた。
どうやら静かにしなければいけないようだ。

母に話しかけられないので、私は自分でこの状況を理解しようとした。

(あ、そう言えば今何時何だろ…)

持って来ていたスマホの電源を見ると 21:16 と書かれていた。
(もうこんなに経っていたのね)

すると、どこかでコツという音が聞こえた。

小さかったけど、確かに聞こえた。

私は持ち前の聴力に全神経を集中させた。

コツ...コツコツ......タッタッタッ...

(…上にいるの？人数が…５、いや6人？

聞き慣れない足音ね…)

聞き慣れない？なら、ここの者ではない？ということは…

すると同時に、脳裏に父のあの言葉も蘇った。

何もかもがぴたりとハマった。

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「奇襲しにきた奴...」

ぼそりと呟いた。