八話《エース》 ページ9
…
「僕は独りじゃないから、大丈夫」
ずっと前から、オレはコイツのこういうところが気に食わなかった
自分の気持ちなんて後回しで、家族と切り離されてつらいはずなのに、自分よりも他人を優先してさ
─
「そっか。君は物知りなんだね
……教えてくれてありがとう」
─
第一印象は世間知らずで馬鹿なヤツ
オレの嫌味や皮肉にも眉ひとつ動かさず、どんな雑用もイヤイヤ言わずに真面目にやっていた
魔法なんて使えねーのに、
この世界の人間じゃねーのに、
そこら辺のヤツらよりAの方がよっぽど物知りで、強くて──脆かった
─
「小さな亀裂も大きな亀裂も、１度入ってしまえば元の綺麗な状態に戻すことは出来ない
でも、元の状態に"近付ける"ことは出来るんだよ」
─
いつもコイツの言葉は意味不明で。だけど、誰よりも説得力があった
─
「家族も所詮他人だよ
笑いあって、泣きあって、支え合って───そうやって家族に"成っていく"んだ
だからさ、案外、
本当に自分を理解してくれるのは友達かもしれないね」
─
そう言い放つAは優しいカオをしていて、
それでいて、
・
少しだけ、悲しそうなカオをしていた──
・
・
「あーもう！いい加減にしろよ！！」
「なっ！おいエース！」
感情が昂った勢いのままAの胸ぐらを掴む
………軽すぎんだろ
普段何食ってんだよマジで
「確かにオレはさぁ、お前みたいに人を慰めるのとか上手くねーけど」
「…」
「でもさ、話くらい聞けるし」
「！」
「お前の居場所になることくらいできるっつーの！！」
「えー、す」
こういうの、ガラじゃねーんだけどさ
偶然の出会いだったとしても、
オレら"マブ"になったんだから
「もっと頼れよ！お前の世界からオレらの存在を消さないでくれる？」
「…」
「それともなに？
こんなに関わっておいて、今更オレらとお前は無関係の人間でーす！…なんて言うつもり？」
そこまで言い終えると、傍にいた先輩たちがオレとAを引き離した
今回こそ、オレなんも悪くねーし！
「エース」
「僕、やりたいことがあって」
「んー？」
「…お願い
僕の我儘に付き合って」
「ん、い〜よ♪」
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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…！とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…！！！ (2022年9月12日 4時) (
レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
翁(プロフ) - さやかさん» 有難うございます！期待に応えられるよう、精一杯頑張ります！ (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です！あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです！頑張ってください！ (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翁 | 作成日時：2022年8月9日 20時
