二十三話 ページ24
…
「ただの風邪だね
解熱剤と痛み止めは置いておくよ。食前、朝昼晩に２錠ずつ…飲ませるときは必ずぬるま湯で……」
あの後
学園中を走り回っていたら出くわしたトレイくんとリドルくんにクルーウェル先生が不在だ、ということを教えてもらい
2人に事情を話せば、リドルくんが「良ければボクが…」と、零兄さんの診察をしてくれることになった
どうやらご両親が医療に携わっている方らしく、一通りの診察手順や病名等は頭に入ってるらしい…
「ありがとうリドルくん、トレイくんも…」
「キミも病み上がりだろう？そうやって無理をして、また倒れたらどうするんだい？」
リドルくんの言葉に無意識に俯く
一応、分かってるつもり。
兄さんは誰よりも強くて、賢くて、繊細で、誰彼構わず手を差し伸べちゃうくらいお人良しで…
天才だからって重いもんいっぱい背負わされて、傷付いて、裏切って、裏切られて、普通の青春を謳歌することさえままならなかった
誰が望んだ？そんなこと、
誰が求めた？そんなこと、
兄さんの人生は人に尽くす為にあるんじゃない
兄さんの才能は人に使う為にあるんじゃない
全部全部、
兄さんの為のモノなのに──
「別にキミを責めたいわけじゃないんだ……ごめん、言い方が悪かったね」
「……ううん、僕も…ごめん」
「俺が言えたことではないが、
何かあったらすぐ頼ってくれよ？」
そう言って僕の頭を撫でる
トレイくんに続けて何かを言おうと口を開いたリドルくん
の声を遮るように談話室のドアが開かれる
「まったく、度し難い
朔間兄弟の誰かしらが倒れる度に何故貴様らはそんなに取り乱すんだ。理解出来ん」
「何？羨ましいの…？」
「違う」
「あいでっ」
死にそうな顔でそう言い放った敬人を興味本位で煽ってみたら、思いっきり頭を叩かれた
相変わらず容赦ないなあ……
もう少し、優しく扱ってくれてもいいのに……
「ふぁ〜…ふ。ねぇねぇ、膝枕〜」
「度し難い」
「あいでっ」
眠過ぎて動くのがだるかったから、敬人にしがみついたら頭チョップされた
ので、
大人しく起きてようかな〜なんて思ってたらリドルくんが僕の隣に来て、僕の名前を呼んだ
「ボクの膝で良ければ貸すよ。
キミはボクの…その……大切な友達、だからね」
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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…！とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…！！！ (2022年9月12日 4時) (
レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
翁(プロフ) - さやかさん» 有難うございます！期待に応えられるよう、精一杯頑張ります！ (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です！あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです！頑張ってください！ (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翁 | 作成日時：2022年8月9日 20時
