悪魔の囁き 閻魔の微笑み

悪魔と閻魔１２ ページ13

光啓side


許せねぇ。俺のギター。あれ、高かったんだ。

隆弘がAはする必要がないって言ってただろ？じゃあ言わせてもらうけど。千晃ちゃんの方がこんなことする理由見つかんなくね？


ｶﾞﾁｬ


光「おかえり」

母「Aから聞いた？」

光「なにを？」

父「離婚のことだ」


Aが泣くわけだ。………離婚か。………離婚？


光「え。何言ってんだよ！」

隆「お前、手から血、出てるけど」

光「あぁ、殴っt」

隆「誰を殴った？」


被せんなよ。


光「自分？」

隆「あっそ。………嘘つき」

光「は？………………で？母さんと父さんは？」

母「どっちについて行くか決めるか、この家に住むか…」

父「今日中に決めてくれ」


自分勝手。親の都合、大人の都合に振り回される俺たち、子供たち。なんて可哀想なんだよな。自分で言うけど。


光「………マジかよ。隆弘、お前は？」

隆「そんなすぐ決められるわけねーだろ。」

光「そりゃそーか。ごめん。………俺、父さんについてくから」

隆「…………………じゃ、俺はここでAと住もうかな。心配だし。真司郎もいるし。ま、どっちにしろ、俺はこの家を離れねぇ」


あんなやつと住むのはごめんだ


光「………」

父「Aには聞いたのか？」

隆「聞いてくるよ」

母「………………」


ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


光「なんで…なんで離婚…」

父「父さんと母さん、血が繋がってるんだ」

母「二人には〜言わないでね」

光「え。マジか…」

母「あとからおいおい話すわ」

光「ん」


血が繋がってんのか。なんかあんだろうな。もともと幼なじみだったっていうし。


ｶﾞﾁｬ


隆「それでいいって」

父「ありがとう。明日の朝には俺らはいない。よろしく頼む。仕送りはするから。Aを支えてやってくれ」

母「これ、Aに渡してくれる？私たちが行ったあと」

隆「………わかった。じゃーな。“元母さん” “元父さん” “裏切り光啓”」

父「………」

母「………っ」


そーなるか。


隆「じゃ、勝手に出ていって。出ていくのは自由だけど、家族として、何も言わないのは失礼すぎる。じゃ。楽しかった」


ｶﾞﾁｬﾝｯ


母「………うぅっ(TT)」

父「母さん…」

光「じゃ、俺…準備してくる」

父「………あぁ」


ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ


そして俺は二階に上がった。

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