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微塵切りにした玉ねぎを琥珀色に、ひき肉と合わせて手早く混ぜる。多少、いやかなり面倒だが部下達に好評だった鳥牛半々を使用する。私なりに彼らへの労いを込めている、精々感謝して喰らって欲しいものである。
ペチペチと20個程ハンバーグを作る。間違いなくとんでもない量ではあるが如何せん普段の仕事がクレイジーすぎて何とも思わなくなってきた、これもまた職業病なのか。
フライパンというフライパン、コンロというコンロを総動員して一気に焼き上げる。幹部様方が使っていた食器を用意して、いつもより少し豪華な机の上に器の偉大さを思い知る。(幹部様方は食事時に大暴れするらしく、割れやすい食器は全て用済みになってしまったのだ。絵に描いたような棚からぼたもち。)
｢いい匂い……！｣
『当ったり前〜 ご飯よそって』
｢俺の上げ膳据え膳ライフが…｣と戯言を宣いながら白米をモリモリと盛る部下を横目にコンロの火を切る。悪くない出来だ。ちらりと食堂を覗けばラフな格好の部下たちが今か今かと食事を待っている。年上も居れば年下も居る部下たちだが、この瞬間だけは皆雛鳥のようで堪らなく可愛い。
何人か呼び出し運ぶのを手伝わせると、食事の準備は整う。よく磨かれた銀のナイフ、いつもより華美な食器、新鮮なサラダ、平皿に盛られた白米、つやつやと煌めくハンバーグ。
『神に感謝を いただきます』
｢｢｢｢いただきます！｣｣｣｣
ああ、幸せだ。
マナーの守れる者から食べ方の汚い者、野菜が好きな者から得意でない者、大食らいから少食まで、個性ある私の仲間たちが私の作った料理で頬を緩ませるこの時間が好きだ。
彼らの賄いを作る時、私は一切妥協しない。職務を果たす時は妥協しまくるくせに、そういう点で私は少しおかしい。そして感動的なことに、人間は皆どこかが少しずつおかしい。
｢あたしトマトの皮舌で剥けるんすよ ほら｣
『べーってすな それ会得して何の得があんねん』
｢んー、A様に構ってもらえるとか｣
私は副料理長、A・ゾロアスター。食に無頓着で愚鈍な一般兵士達の食を手掛ける言わば"雑用"に近いハズレくじを引いた哀しき元一般兵士。文面にすると悲壮感が漂うが、実際の所は誰よりも幸せな自信がある。
それで良いんだ、少しおかしいくらいで良いんだ……。
私は最後の一切れを、ソースを沢山絡ませて口に運んだ。
｢＿＿A・ゾロアスターは居るか？｣
突然食堂に響いたテノールが、安寧に毒を飲ませた。
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ひより(プロフ) - 天才の小説を見つけてしまいました……(涙)キャラ作りとか、地の文の書き方がめっちゃタイプ…大好きです！！作者様のリアルを優先して欲しいのは勿論なのですが、もし戻ってこられることがありましたら是非続きが読みたいです…待っています……！ (11月8日 6時) (
レス) @page31 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
yまだ(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！待ってました！！syp大好きなのでたくさん絡んでくれて嬉しいです！！（ ｉ _ ｉ ） (2023年1月9日 2時) (レス) id: a023009b5b (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺はマスターボールだ！！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) @page20 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ポケモンゲットだぜ☆((あ、面白かったです〜更新頑張ってください〜 (2022年9月22日 23時) (レス) @page20 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - 思わずモンスターボール構えた読者です笑 (2022年9月20日 17時) (レス) @page20 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暴 | 作成日時：2022年5月26日 2時
