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作ってくれてもええやんか、と頬を膨らませた彼は諦めたのか端に置かれた椅子に腰掛けた。その所作から品は感じられず、彼も実力でのし上がった人間なのだなと改めて感じる。私は権力に胡座をかく貴族の類が大の苦手なので、そういう意味では彼を実力主義的な点で高く評価している。
以前居た国は最低最悪だった。封建的社会に圧殺されていく若者、血税をパンに挟んで汚く頬張る王族、溢れたパン屑に群がる貴族。干からびていく国というのが妥当だろうか、勿論のこと薄給でもあった。
身を売りの少女たちを貴族の部屋へ案内する度に握りしめた拳から血が垂れていた。私は酷く弱かったのだ、所詮は権力に逆らえない一市民だったのだから。
『故郷でも無ければあんな国』
｢あーK国か 今度戦争すんで｣
『この距離で聞こえんの？恐怖すら感じるわ。てかなんで故郷バレしとんの、それに戦争て……ハ、戦争？』
おん、と言えば恐らく幹部内でしか共有されてないであろう情報をいとも容易く話してみせるゾム。作戦の緻密さ、K国の情勢把握、締結予定の条約、何から何までもがリアルで冗談ではないことを察した。こんな偶然もあるものだな、故郷が火の海になるのは少し複雑だが致し方あるまい。
両親は天寿を全うして既に他界、妹2人も隣国へ避難済みだ。核の餌食になろうが焼夷弾に呑まれようが私の知ったことではない、国に仕える者として私情は挟んではいけない。通った小学校、住んでた家、お世話になった先輩のお墓、全て消えるのも仕方ないこと。
正直言うと憂鬱ではある。私が消えていくみたいで。
｢やっぱ燃えるの、嫌か。｣
『……まぁええ気持ちはせんよ、ただ割り切ってるから不要な心配は要らん。私が文句垂れたところで変わらんしエネルギーの無駄遣いや。』
｢グルさんに掛け合おうか、もしかしたら攻撃範囲考え直してくれるかもしれへんし。｣
『ええわ、寧ろ全部燃やしたってくれ。』
ぶっきらぼうに言い放てば閉口するゾム。これ以上話しかけない方が良いと気付いたのか｢肉美味かったわ｣と言い残し天井のダクトへと姿を消した。
なんだか大人気ないことをしたな、まだまだ私も子供なのかもしれない。物憂げな雰囲気を払拭するように首を振り、2時間半後に迫った部下たちの夕食を作るのであった。
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ひより(プロフ) - 天才の小説を見つけてしまいました……(涙)キャラ作りとか、地の文の書き方がめっちゃタイプ…大好きです！！作者様のリアルを優先して欲しいのは勿論なのですが、もし戻ってこられることがありましたら是非続きが読みたいです…待っています……！ (11月8日 6時) (
レス) @page31 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
yまだ(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！待ってました！！syp大好きなのでたくさん絡んでくれて嬉しいです！！（ ｉ _ ｉ ） (2023年1月9日 2時) (レス) id: a023009b5b (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺はマスターボールだ！！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) @page20 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ポケモンゲットだぜ☆((あ、面白かったです〜更新頑張ってください〜 (2022年9月22日 23時) (レス) @page20 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - 思わずモンスターボール構えた読者です笑 (2022年9月20日 17時) (レス) @page20 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暴 | 作成日時：2022年5月26日 2時
