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｢で、なんで来てくれたん？｣
椅子なくてすまんな、と言いながらベッドに腰掛けるゾム。如何せんまだ腕を掴まれたままなので、若干の嫌な予感を感じながらもその横に座った。
事情を全部話すと彼はカカ、といつものように高笑いをして、そうかぁ、と何かを噛み締めるように呟いた。
｢Aがそんなおれのこと考えてくれるなんてなぁ、｣
『そ、そら考えるわ、私のために戦争止めてくれたんやし。それを一応、その、無視したわけやし、一度は。』
ゾムは少し笑うと私の腕を再び引いた。
少し体制は崩したが、ここで｢きゃっ♡(胸に飛び込む)｣となるくらい私の体幹は弱くない。元兵士に乙女展開を求める方がヤバいのである、怒るなら鍛え上げられたこの腹筋に怒ってくれ。
私は少しの気まずさを覚えながら『やっぱそういう礼の仕方がええんか？』と最高に気の利いてない言葉を投げた。正直部屋に連れ込まれた時点で覚悟はしていた、ただ今日の下着はあまり可愛くないので出直させていただきたい所ではある。
｢え、あ、ち、違う違う、あっ違くはないんやけど、Aと、は今したいって思ってないから、安心してや。｣
ゾムはパッと手を離すとしどろもどろに言葉を紡いだ。
……違くないのか。……”いつか”したいのか。
あからさまにシュンとしてしまったゾムを見て居た堪れなくなる。それと、沢山歩いたこともあり少々私も判断能力が鈍っていたんだと思う。じゃなきゃこんな事は口走らなかったはずだ。
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『ぎゅーだけなら、ええけど。』
｢……え、？｣
発言して数秒、みるみるうちに茹でダコのように赤くなるゾムの顔を見て事の重大さに気付き始める。な、なんて事を言っているんだ私は。売女でも、プレイガールでも、恋する乙女でもあるまいし。
ぎゅーという語感の幼さ、言葉にならない音を発し続けるゾムの姿、じわじわ上がっていく自らの体温、全てを自覚した途端羞恥心が天元突破して私は弾かれるようにベッドから立ち上がった。
『ま、冗談やけど。そのうち礼はさせてもらうな、じゃあ私そろそろ仕事やから帰るわ。』
早口で台詞を何とか言い切り、ゾムの返事も聞かないままに部屋を飛び出した。正直平常心を保ってますよ感を出すのが大変だったし、あそこで『ち、違うからね？！』とか言って”ガチ”感を出さなかった私はかなり偉いと思う。
はぁ、とようやく深呼吸をして、少々気まずくなりそうな明日からの生活に小さく溜息をついた。
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ひより(プロフ) - 天才の小説を見つけてしまいました……(涙)キャラ作りとか、地の文の書き方がめっちゃタイプ…大好きです！！作者様のリアルを優先して欲しいのは勿論なのですが、もし戻ってこられることがありましたら是非続きが読みたいです…待っています……！ (11月8日 6時) (
レス) @page31 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
yまだ(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！待ってました！！syp大好きなのでたくさん絡んでくれて嬉しいです！！（ ｉ _ ｉ ） (2023年1月9日 2時) (レス) id: a023009b5b (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺はマスターボールだ！！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) @page20 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ポケモンゲットだぜ☆((あ、面白かったです〜更新頑張ってください〜 (2022年9月22日 23時) (レス) @page20 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - 思わずモンスターボール構えた読者です笑 (2022年9月20日 17時) (レス) @page20 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暴 | 作成日時：2022年5月26日 2時
