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『はぁ、いくら何でも遠すぎ。』
権力を誇示するため豪勢に建城するのは結構だが、大きすぎるのも考えものだと熟々思う。メイド達もよく｢兵士より私たちの方が運動量が多い｣と嘆いているし、実際に城内を練り歩いてみてそれは強ち間違いでは無いとも思う。
春も過ぎ長い夏はすぐそこへ、暗くなるのも随分と遅くなったものだ。水色と濃紺のグラデーションに映える薄紫はこの季節にしか見れない色で、私はこういう些細な変化が好きだったりする。まぁ、女性らしいと一言に言われればそこまでだけど。
そよそよ夜風の吹き込む廊下を渡り、幹部塔へ歩みを進める。幹部の部屋は馬鹿みたいにデカい人も居れば嘘のように小さい人も居るらしい、月並みだが人の価値観はそれぞれと言ったところだろう。因みにゾムの部屋は思っていた数倍も小さかった。彼はあまり物への頓着が無いのだろうな、そうでなくては暗殺者なんて哀しい職業を選ばない。
扉を2つほど越え、緑の…これはなんだろう、狼だろうか。ともかく一般人には理解し難いような繊細な獣の彫刻が施された扉を数時間前のように軽く叩く。
少し中から物音は聞こえたものの、扉が開く気配は無い。
『……寝てる？』
遠慮がちにノブを回せば以前と変わらず開いている鍵。中を覗くとベッドの所が少し盛り上がっていて、寝ていることが察せられた。暗殺者がこんな不用心でええんか。
叩き起すのも何だし帰るか、と扉を閉めた。
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｢＿＿何帰ろうとしてるん？｣
否、閉めようとした。
背後から聞こえた声に思考がフリーズする。なんで、今お前寝とったやん、寝てなかったにしても物音は部屋の中からしたはずなんですけど。
ギギギ、と振り向けば予想通り緑色がポケットに手を突っ込んで立っていた。彼は音もなく歩み寄るとノブを握る私の手上に自分の手をそっと重ねて私の顔を覗き込んだ。
｢おれのこと、探してくれたん？｣
『……まぁね。』
んふふ、と笑えば彼は私の腕を引きながら部屋の中に入った。｢おれに話あるんやろ？｣と優しく笑いながら、逃がさないと言うように翠眼をギラリと光らせて。
確かに部屋の中から物音はした、しっかり人間が動く音だった。ゾムの部屋からダクトが通っていた？いや、ダクトは全てホールへ抜けるはずだ、どうして？
私は訳も分からないまま、ゾムの部屋に入って行った。
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ひより(プロフ) - 天才の小説を見つけてしまいました……(涙)キャラ作りとか、地の文の書き方がめっちゃタイプ…大好きです！！作者様のリアルを優先して欲しいのは勿論なのですが、もし戻ってこられることがありましたら是非続きが読みたいです…待っています……！ (11月8日 6時) (
レス) @page31 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
yまだ(プロフ) - 更新再開ありがとうございます！待ってました！！syp大好きなのでたくさん絡んでくれて嬉しいです！！（ ｉ _ ｉ ） (2023年1月9日 2時) (レス) id: a023009b5b (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 俺はマスターボールだ！！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) @page20 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - ポケモンゲットだぜ☆((あ、面白かったです〜更新頑張ってください〜 (2022年9月22日 23時) (レス) @page20 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - 思わずモンスターボール構えた読者です笑 (2022年9月20日 17時) (レス) @page20 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暴 | 作成日時：2022年5月26日 2時
