朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

37話 冷や汗 ページ39

.




ハ「ったく、お前と言う女は…いつか返り討ちに会うぞ」





『まっさかー。私の取り柄はぶっ飛ばすだけよ？返り討ちに会う前にぶっ飛ばすわ』





ハ「…へぇー」




『…なに？』




ハ「なんでもねぇ」




ム「ハク、こらハク！」




ハ「ん？」




ハクは一歳年上



対して変わらない歳なのにハクは私のお兄ちゃんだった




ム「小僧め……今日は五部族会議があるから風の部族としてお前も出席しろと言ったろーが」




ハクを見下ろすのは風の部族長



ソン・ムンドク



私の師匠だ





剣は腕が長くて、大柄な奴が圧倒的に有利だ



私みたいな女が武器を持つなら断然槍が良い



オッさんは剣使いで、教えには向かない人だ



城で何度かハクに槍を教える師匠に頼み込んで、槍を教えて貰った



まだハクには敵わないけど、風の部族のテウとなら互角に戦える




ハ「会議なら風の部族長であり、高華国五将軍の一人、ムンドク様のみ出席なされば良かろう」




いいなぁ、ハクはそんな事ハッキリ言えて(勝手に出てった奴)




ハ「それにぽよ〜〜んとしたイル陛下の話には付き合ってられ……」





ム「バカモノ！ムンドク様ではない!じっちゃんと呼べ！」




ハ「そっちかよ！俺とアンタは血繋がってねーだろうがっ！」




ム「血がどーした、そんなもん愛の前には無力！」




ハ「うげーーー！」




『おーい。程々にねー』




怒鳴りあう二人に声を掛ける




あんな風にちゃんと思いをぶつけられたら…




『…オッさんとあんな風になれたらな…』




ハクが羨ましい




イ「コラコラ。ムンドク将軍とその後継者ハクが暴れたら、緋龍城が吹き飛んじゃうじゃないか」




殴り合う二人をニコニコと見つめるポヨン王




ハ(やべ、ぽよ〜んて言っちゃった)




冷や汗をかくハク




気持ちは分かる




だから敢えて口に出さず、私の様に心の中で…




『ぐおっ』





師匠に頭を押さえ付けられて床に伏礼




なんで！？




イ「あぁ、伏礼なんかいーの、いーの」




したくてしてるんじゃない！




私は決して貴方を尊敬してない！




伏礼を逃れて、未だ冷や汗をかくハクの足を踏みつける




ハ「い”っ！何でだよ！」




『イラついたから』




ハ「はぁ！？」




ム「ハハ、若い者同士仲が良いな」




ハ「『いえ、全く！！」』




なんで此奴と！




王様も師匠も目、平気か！？






.

38話 阿呆らしい→←36話 厄介な奴

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す