朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

35話 五部族会議 ページ37

過去 (エース 14歳)





『ファ〜ア。……眠い』




なんで五部族会議に出席なんか……





ジュ「おい、小娘。やる気が無いなら出てけ。大事な会議だ」





おお、喜んで出て行くとも





ブッチャケ、部族長になる気はないし





グ「おい、ジュド。俺の愛娘を愚弄するとはいい度胸だ」





……私が出て行けないのはこのオッさんの所為だ





『だから、あんたの娘になった気は無い。行くと来ないから居候させて貰ってるのは感謝するけど。勝手に愛娘にすな』




ジュ「ハ、娘に嫌われてやんの」




グ「只の反抗期だ。昔はあんなに素直だったのに……！」




……煩い、暑苦しい




今にも取っ組み合いそうな傷のついたオッさんと茶色いオッさんを横目で見ながら、ため息をつく



地の部族長に拾われたのが運の尽き




ゴタゴタした政治とか権力とか大嫌い




私は自由に過ごしたいだけなのに




中年の醜い争いから目線を反らすと、私に微笑む王様と目があった




あんなポヨンが王様……




そして此処に集まったのは皆んなこのポヨンの犬




私も……その運命か…




フッと王様から目を反らすと、思い出したように王様はムンドク師匠に話しかけた




イ「ムンドク将軍。ハクは何処に？」




『ハク？』





ポロッと溢れた私の言葉は予想以上に響いたらしい




視線が集まり、必然的に顔が赤くなった





何を勘違いしたのかオッさんがニヤニヤした顔で私を見てくる





ウザい





カタンと席を立つと、扉に手を掛けた





イ「何処に行くのですか？エース？」




『どうもこの様な堅苦しい、煩い会は苦手でね…退席させていただく』




ジュ「ほほう、それは我々への侮辱か？」




ギロッと私を睨む鋭い目





左手で腰の剣に触れる





竦み上がりそうだ




・・・・
普通の女だったら





『そう思っていただくと幸いだ。ジュド将軍』




私には怖くもなんとも無い




きっぱりと告げると外に飛び出した




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ジュ「お前には勿体無い肝の座った良い娘だ」




グ「当たり前だ」




ジュ「……娶って良いか？」




グ「あぁ？テメェなんぞにやるかバーカ」




ム「そうじゃ。エースは風の部族が貰い受ける」




グ.ジュ「「あぁ？」」




ム「ハクの嫁にピッタリじゃ」




グ.ジュ「「ふざけんな！！」」





今日の五部族会議の半分はこんなしょうもない話だったとか……





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