守られてばかりじゃ、いられないだろ。 ページ34
「ウィーン……！」
そこにはウィーンの姿が見えた。妄想ではない。本当にウィーンの姿が見えた。よく見ると、それはウィーンの魔法だった。ラジムスが扱い切れてないウィーンの魔法が、形となってAに姿を見せていた。
Aはウィーンに微笑みかける。頬には涙が伝った。
【A。最後にAが側にいてくれて僕はとても幸せでした。我が儘な子だと思っていましたが、あれは全て僕を元気付るための我が儘でしたね。】
「そんなことも、あったな…。懐かしい、本当に懐かしいよ。」
【いつかAの本心の願いを聞いてみたいと思っていました。A、今はどんな気持ちですか？ 】
「今はもう…辛いだけなんだ……。」
Aが俯いて呟くとウィーンはニッコリと微笑む。優しくて、綺麗な笑顔なのにも関わらずAは俯いていた。
ウィーンはAの手をそっと取る。
【辛いとき、顔を上げてください。】
その台詞には聞き覚えがあった。Aが顔を上げると、ウィーンはAの手を引いた。Aは引かれるまま立ち上がり、ゆっくりと顔をあげた。
そこではウィーンが微笑んでいた。
【そこにはきっと、Aを守ってくれる家族がいます。】
あぁ、そうか。その台詞はウィーンが死ぬ前に私に言った言葉だ。確かに、ウィーンの言う通りだったな。
Aが見た先には妖精の尻尾がラジムスと戦っていた。そしてそこに氷の雨の、アイリス、タクミ、ソルージュの妖精の尻尾を破壊した三人が現れ、戦いはより激しさを増していた。
押される妖精の尻尾をAは見つめて困ったようにため息をついた。ウィーンは笑顔のまま、Aを見つめていた。
「守られてばかりじゃ、いられないだろ。」
Aはそう言って剣を握り締めた。
「ウィーン、ありがとう。私は...もう大丈夫。」
そう言って微笑んだ先にウィーンはいなかった。だが、Aは力強く足を踏み出した。
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ヒカリ - 頑張ってね！応援してるからねー！ (2015年5月20日 15時) (
レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» 分かってるよ、(苦笑) (2015年5月16日 11時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - でもこの作品が終わったら次の作品の約束忘れないでねー！ (2015年5月15日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» ありがとう！ そう言っていただけると助かります！ (2015年5月11日 0時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 私はずーと気長に待ってるね！ (2015年5月9日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年6月20日 23時
