なんだよ、それ。 ページ30
「そのあと直ぐに超圧縮魔水晶爆発機が爆発して、我々の隊員の殆どが死んだ。ワシも重傷を負って気絶しておって、Aの安否を確認することが出来なかった。」
そのあと一体何があったのかは分からんが、魔水晶制作実験局によってAが生かされたということだ。
マカロフはそこまで言うと目を伏せてる。ナツ達はその話を聞き呆然とした。
知らなかったのだ。Aのことを何一つ。聖十大魔導師のトップで王と呼ばれていたことも、イスバンに住んでいたことも、家族を失ったことも、ウィーンという人の存在も、何もかも知らなかった。妖精の尻尾は何かしら背負った人間が集っている、ということはみんな知ってる。だから黙認しながらも、お互いを認め合っていた。だが、Aに関しては悲しみを分かち合うことはもちろん、寄り添うことすら許してはくれていなかったのだ。
マカロフは悔しそうに拳を握りしめながら怒りを耐えてる。
「Aがワシらを遠ざけるときは、ウィーンのように大切な人が死ぬのが怖いからじゃ。自分は強い、そう信じて仲間を遠ざける。」
「じゃあAが俺達に、仲間じゃないとか言ったのは…俺達を守るために、」
「おそらくそうじゃろう。それに、グレイのこともある。Aはイスバンの件でグレイに罪悪感を抱いとる。だから、巻き込みたくなかったんだろう。」
「なんだよ、それ。」
グレイが呟く。
「じゃあ、昔俺を救ってくれた...あの女は。」
俯いたまま、グレイは黙り込んだ。
グレイの記憶にあるぼんやりとした幻影を思い出す。花の種をくれた少女は、グレイに優しく笑っていた。苦しみから立ち上がることが出来たのはあの少女のお陰。
そんな、Aに。グレイは一体どんな感情を抱いていいのか分からなかった。裏切られたことに対しての怒りか、信用されていなかった悲しみか、何も知らずにAを疑った事への謝罪か。ただ一つ分かったのは、胸の中に大きな穴が生まれたことだった。
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ヒカリ - 頑張ってね！応援してるからねー！ (2015年5月20日 15時) (
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海姫(プロフ) - ヒカリさん» 分かってるよ、(苦笑) (2015年5月16日 11時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - でもこの作品が終わったら次の作品の約束忘れないでねー！ (2015年5月15日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» ありがとう！ そう言っていただけると助かります！ (2015年5月11日 0時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 私はずーと気長に待ってるね！ (2015年5月9日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年6月20日 23時
