【だから地雷を踏まないように話しておきます。】 ページ13
「すみません。Aが、」
「いや、構わんよ。力を試していただけみたいだしのぉ。」
ウィーンはポリポリと頭をかくマカロフに微笑む。そして少しだけ目を伏せて何かを考えるように、うーん。と呟いた。
「Aのこと話しておきますね。マカロフ様のこと、気に入ったみたいですし。」
「は？」
マカロフは思わず耳を疑った。気に入った？あの短時間で？しかもその短時間にしたことなど殴られたぐらいだ。
「基本的にだいたいの人は一発目で気絶してしまいますから。その点マカロフさんは一発目でダメージをくらったものの、とっさに身を引きダメージを軽減しました。」
Aは強い人が好きなんですよ。とウィーンは笑う。ウィーンはいつの間にか紅茶を二つ用意していた。そして高そうなテーブルに並べマカロフに「どうぞ」と椅子に座るように促した。
「Aはきっとこれからもマカロフさんに構いに行きますよ。」
だから地雷を踏まないように話しておきます。
ウィーンも椅子に腰掛けた。
暖かな紅茶が白い湯気をふわふわと空中に並べていた。
「Aは生まれた時からそこらへんのＳ級魔導士並の魔力を持っていました。その魔力は衰えることなどなくどんどんと大きくなりました。」
マカロフは並べられたビスケットを一つ口に運ぶ。ほどよく甘く、優しい味がした。
「(両親はそれでもAを育てました。村人がなんと言おうとAを手放そうとはしなかったのです。愛していたから。」
"愛していたから"その言葉は嫌というほどマカロフの耳に付いた。
「だがある日、Aの魔力が暴走したのです。それはエーテリオン程の魔力が数値に出ていました。」
「なんと！」
エーテリオンの魔力とは威力にもよるが街一つ滅ぼすことだって可能だ。そんな魔力をさっきの少女が持っていることなど可能なのだろうか。
「評議員はAのことを、保護しました。ですが両親は反対。自分の手で育てる、と聞かなかったのです。 」
「……それで…どうしたんじゃ、」
マカロフは静かにウィーンに聞いた。ウィーンは微笑みもせず、俯いたまま。
「評議員はAの両親の元へAによく似た女の子を養子送りました。そして記憶を変えたのです。」
つまり、Aの両親にはAの記憶がないのです。
マカロフはその言葉に何も返せなかった。Aに隠された衝撃の事実にマカロフは呼吸さえも忘れてしまっていた。
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ヒカリ - 頑張ってね！応援してるからねー！ (2015年5月20日 15時) (
レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» 分かってるよ、(苦笑) (2015年5月16日 11時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - でもこの作品が終わったら次の作品の約束忘れないでねー！ (2015年5月15日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» ありがとう！ そう言っていただけると助かります！ (2015年5月11日 0時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 私はずーと気長に待ってるね！ (2015年5月9日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年6月20日 23時
