もう…いいか。 ページ2
「もう一度です」
ラジムスが言った。途端に電気のバチバチとショートする音がした。そしてコードを伝い、それはAの体を蝕んだ。鋭い駆け抜けた悲鳴があたりに響く。みしみしと体中から嫌な音が聞こえた。
「止めなさい。」
「は、は……はぁ………ぐっ………」
Aの身体が魔力を耐えきれず所々切れ傷が出来ていた。咳をした瞬間鉄の味がしてAは思わず顔をしかめた。
だが頭の中ではAは意外にも冷静で、この魔封石いくらぐらいなのだろうか。というかどれくらいたったかなー、５時間？と頭をひねった。
「おい、お前……」
「なんだ天ノ姫。」
「この、魔封石は…ゲホッ……いくらぐらいするんだ、……ずいぶん、高そう…だな。」
Aはそういうとフンッと鼻を鳴らした。すると研究員の一人がAの近くまでより胸ぐらをつかみ顔を近づけた。
「そーだな。確かにかなり高かったぞ。評議員秘策のエーテリオンをぎりぎり防げるくらいの魔封だ。お前には砕けないだろう。」
「ふん…見栄を張って……男は、はやりバカだな…。」
「見栄を張っているのはお前だろう。イシュガル四天王の王。天ノ姫でさえ、これに封じれば俺たちと変わらないただの人だ。」
「ふん…お前ごときにまえないさ……。どうだ、どーせなら……ゲホッ…もっと魔力を上げれば…。この程度……余裕さ…。」
それを聞いた研究員が文句ありげに何か言おうとしたがラジムスに、止められて話に戻っていた。
Aは狂ったようにどうでもいいことが気になった。この魔封石はいくらぐらいしたのか、風呂にはいつはいるのか、きっと傷にしみるだろうとか、服はどうするのかとか。自分の魔力の経過を話す研究員とラジムスの声を聞かぬように。頭を必死に動かした。
だが、脳壁にこびりつくようにただ１つだけ頭から離れない。
「(妖精の尻尾には申し訳ないことをしたな、氷の造形魔導士にも…嘘をついたままで……。)」
だがまぁ、
「もう…いいか。」
Aは俯き笑った。
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ヒカリ - 頑張ってね！応援してるからねー！ (2015年5月20日 15時) (
レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» 分かってるよ、(苦笑) (2015年5月16日 11時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - でもこの作品が終わったら次の作品の約束忘れないでねー！ (2015年5月15日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» ありがとう！ そう言っていただけると助かります！ (2015年5月11日 0時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 私はずーと気長に待ってるね！ (2015年5月9日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年6月20日 23時
