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反撃開始の音が響く ページ25

「では、いきます。」


Aは目を閉じて意識を集中させる。空気がビリビリと震え、Aの集中がこちらまで伝わってくるようだった。


「…異能力《空が分裂する》」


刹那Aを中心に翡翠色の異能の渦が起こる。それは風船の如く膨らんでいく。
そしてAの正面に空間の歪みのようなものが現れる。そしてそれは徐々に大きくなっていき、福澤と森の頭上に移動する。


「…私の異能は空間移動のようなものです。今から御二人をこの異能空間を通します。その際、傷口から無理やりウィルスを抽出します。気を付けますが、多少痛みが伴うかもしれません。」

「大丈夫だよ。」

「問題ない。」


その言葉にAはホッとした様に微笑んだ。そして再び集中する。
頭上の異能空間の入口がゆっくり降りてくる。そして森と福澤の頭に触れ、ズズズッと飲み込んでいく。ピリッとした痛みを感じ、直ぐに傷口に指を突っ込まれるような痛みを感じた。だが二人は声を漏らさまいと痛みに耐える。
異能空間はどんどん二人を飲み込む。そして、異能空間を通り抜け終えた時には既にウィルスによる懈怠感はすでに無くなっていた。
Aと二人の間に異能空間が揺らめく。


「お疲れ様でした。
今、御二人の身体からウィルスだけをこの異能空間に閉じ込めてあります。そして、これを今から私の体に移します。」

「…異能空間に留めておく事は出来ないのか? 」

「現段階では出来ません。あくまで通過のみしか行えません。
すみません、力不足で。」

「謝らなくていいよAちゃん。
むしろ君に負担を大きくかけることが申し訳なくてね。」

「問題ありませんよ。
信じています。必ずウィルス異能者を捕まえて下さると。」


Aはニッと笑った。そして異能空間に手を伸ばし、そっと触れていく。すると光の粒子のようなものが、Aの指先から体をなぞるように全身を包んでいく。その光景が幻想的で美しかった。そしてその光の粒子が完全にAに取り込まれた。
刹那Aの身体が地面に崩れ落ちた。それを咄嗟に森と福澤で支える。
Aはぐったりとしていて、支える身体は熱い。


「良いか。娘のウィルス発症時刻は凡そ八時間じゃ。それまでにウィルス異能者を必ず暴き出し鼠を捕らえろ。」


夏目の言葉に福澤と森は強く頷いた。

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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m  (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時

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