僕ら笑い合えない ページ17
Aは中也が通ると推理された道で裏路地の壁面に体を預けて立っていた。瞼を閉じて先程の乱歩との会話を思い出す。
『A、やれるのか?』
『…やります。』
『そういうことじゃない。
……僕が気が付いていないとでも思ってるのか?』
Aは握り拳を作って唇を噛む。中也が強いことは重々承知している。そして間違いなくAだろうと関係なく本気で倒しに掛かるだろう。Aと中也はそういう関係性だから。
「何!? 探偵社の小僧が逃げただと!?」
罵声が裏路地に響いた。その声は聞き間違えることなどない。中也のものだ。Aは気を引き締める。
「今すぐ行く。それまで絶対に首領を死守しろ!!」
「申し訳ありません中也さん。貴方を谷崎さんの所まで行かせるわけにはいきません。」
Aの登場に中也は表情を変える。そして黙って携帯を切った。二人の間を沈黙が包む。中也のアイスブルーの瞳がAを射抜く。
「Aじゃねぇか。真逆だが、俺を足留めするつもりか?」
「はい。そのつもりです。」
「…悪いが、首領の命が掛かってる。Aだろうと手加減するつもりはねーぞ。本気で行くぜ。」
「構いません。」
中也はその言葉を聞いた瞬間、Aに一直線に向かう。Aは体制を低くしてそれを避ける。
そして脚払いをするが中也は軽く飛んで往なす。Aはすぐに体勢を変え足を振り上げ中也に蹴りを仕掛ける。だが中也も、それを防御して攻撃を仕掛ける。Aは寸でのところでそれを避け、少し距離を取った。だが中也はすぐに距離を詰めAを追い詰める。
中也の打拳がAの無防備な腹めがけて叩き込まれる。中也は少しヒヤリとしながら当たったかと思ったがAはこちらも寸でのところで防御していた。そして今度はAの蹴りが中也の米神に当たり、吹き飛ばされた。
中也は体を捻り受け身を取ってAと距離を置く。
「…中也さんの打拳、防御した腕が折れるかと思いましたよ。」
「よくあの体制から防御が間に合ったもんだ。谷川との戦いの時も思ったが戦闘力やテクニックはかなりのもんだ。だが、力がねェのが惜しいな。」
Aの蹴りはしっかりと中也に当たったはずだった。だが、鍛えられている中也の身体にダメージは見受けられない。もう少し攻撃を与えることが出来ると思っただけに苦しい誤算だった。
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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時