美しいだけの花 ページ15
扉を開けて先ず目に飛び込んだのは苦悶する国木田だった。そんな国木田に乱歩は「焦るな国木田。それでも、社長の弟子か。」と言葉を投げかける。その言葉に皆一斉に顔を上げ、別室から来た乱歩とAを見た。
「A、乱歩さん。大丈夫かい?」
「社長に、しっかりしろと云われた。」
乱歩の言葉に「意識が戻ったのかい!?」と与謝野が聞くが「いいや、でも聞こえたんだ。」とハッキリ乱歩は云った。そして乱歩は真っ直ぐ国木田を指差す。
「指示を出せ、社長代理。必要な情報は僕が凡て読み切ってやる。」
その言葉に国木田は強く頷いたのを見て、Aは何かの制御装置様なものが外れた様な気がした。
未だに中也や芥川、森と対立する事に抵抗があった。誰も傷つかず、争いなんてなく、皆で笑い合うような平和な世界で生きていたいから。勿論、それが理想だ。だがそれは私の甘えで、只々世界というものを知らない無垢な考えだと。桃源郷は存在しない。神なんていない。とうの昔に知っていた。どんなに祈っても、叫んでも、その声が届いたことなんてない。そんなものなんでいないからこそ、私達は自分で自分を苦しめ、倖せにしてあげるしかないのだ。いつだって残るのは後悔だけだったのだから。
マフィア側は福澤の首を差し出せと要求してきている。森を護る為だ。
それは分かる。痛いくらい分かる。だが、だからといって福澤が死ななければいけない理由になんてならない。少なからず私はそう思う。
私は探偵社員である。美しいだけの花なんてまっぴらごめんだ。覚悟を決めた国木田を前に、私は探偵社員であるための働きをすることを覚悟した。
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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時