Lv.999 のぶりっ子 【呪術廻戦】

拝啓　庵歌姫様 ページ42

歌姫ちゃんへ♡









あのね、歌姫ちゃんに会ったあの日、私はあの男が家に来ててね。



逃げてたのよ。




だからすぐに東京行きを決意したの。





逃げたかった。




あの男からも。




罪の意識からも。




何もかもから。







勿論、裏切られたって気持ちもあったの。



だって、あの子が彼の第三子なのよ？？

マジあり得なくない？？？？




…でも、それは全部私の都合。


あの人のご家族のことなんて何も考えてなかった。





本当最低よね。







でもここに来て、皆んなに会って。




やっと私、向き合えたわ。









私はね、歌姫ちゃんには感謝しかないの。





こんな素敵な場所に連れてきてくれた。



こんなに素敵な先生や友達ができた。








なのに、ごめんなさい。





一番嫌な役を押し付けた。



もしも、あの奥様に何かあった時の為の監視役。



頑張れば、私の作戦を止められそうな役だった。




優しい優しい歌姫ちゃんだから、きっと今、自分を責めてるよね？



「私が気づいていれば」って。





でも、責めないで。



責任も感じないで。





私が誰にもバレないようにしてたんだもの。


バレたら困っちゃうわ。








私ね、歌姫ちゃんに救われたの。







あの日、私を連れ去ってくれた。




お陰で私、今日まで凄く楽しかった。


皆んなが命懸けで戦ってるのに不謹慎だけど、本当に幸せだった。





私のことを、全部、信じてくれた。



幽霊が見えるってこと。

ママやパパ、死んじゃった優しい未練を持った良い人達の姿が見える。

こんな嘘みたいな話を否定しないでいてくれた。





歌姫ちゃんのお陰で、最期まで、私が、私の事を好きでいられたの。







優しくて強くて可愛くて優しくて。








大好きな私の歌姫ちゃん。









本当にありがとう。









ずっと大好きよ♡







愛してるわ♡♡









+++++++++++++++++









，









「ッ…馬鹿ね…！」









可愛いくて、強くて、優しくて。






媚びてるようで誰にも媚びない、とても気高い子。









そんなアンタが最期に頼ってくれたのが私なんて、こんなに嬉しいことはないわ。









「私だって、大好きだったわよ…！！」









アンタより何千倍も。






今も、これからだってずっと大好きよ。

拝啓　灰原雄様→←遺言

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す