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4話 ページ11

──零side


その人は僕を見ると不思議そうに首を傾げた


?「あれ?そのネクタイ新入生やんね?どしたん?」


スマホを取り出して文字を打って見せる


零『これから入学式なので来ました。担任には伝えてあります。2限が終わるまでここにいてもいいですか?』


?「ええよ〜。俺はしんぺい神、この学校の養護教諭や」


零『1年A組の美空零です』


sn「零ちゃん、な。よろしゅう」


雑面を横にずらして目を合わせてきた


……よろしくするつもりはないんだけどな


この人は何でも見透かしてきそう


sn「喋れへんのは魔法関係?」


零『そうです。僕の家系魔法は“言霊”というもので言葉に魔力を乗せて使います。そのため誤爆しやすいんです』


本当は制御なんてできるけど


sn「……制御できてへんの?」


零『できます。でも、万が一があったりしますから』


スマホを見せれば驚いた様に目を見開いてから、優しく笑った


そんな笑顔、初めて向けられた……


sn「そっかぁ。零ちゃんは優しい子やね」


優しい、なんて初めて言われた


この人はらっだぁたちみたいに僕の事罵らないんだ


……優しい人なんだろうな


sn「あ、そうそう。零ちゃん寝不足やろ?ベッド使ってええで」


流石、養護教諭だからよく見てる


ありがたく使わせてもらおう


sn「二限終わる頃に起こすからねぇ」


顔半分まで布団を被って目を瞑ればすぐに眠気がやってきた


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──snside


今日は入学式やからロボロとかにちょっかいは出さずに保健室で待機しとった


そしたら誰かが扉をノックしたから返事をしてそっちを見れば新入生らしき女の子が立っとった


目を見た時、思ったんは“綺麗”


でもその瞳は光が無くて虚ろやった


俺の特殊能力は“千里眼”


嫌でも零ちゃんの過去が視えた


知らないフリをして零ちゃんに何で話さんのか聞いたら周りを傷付けんため


スマホを見た瞬間、あぁこの子は優しい子なんやなって思った


最初は純粋な興味


sn「やけど今は……」


チラッと寝ている零ちゃんを見る


この子を守りたい


瞳に光を宿したい、笑ってほしい


sn「はぁ、生徒に恋するとか……///」


俺ホ○のはずやねんけどなぁ……

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作者名:氷華 | 作成日時:2022年2月27日 23時

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