だから、嫌いなんだよ。～彼がついた二つの嘘～Ⅱ～SJ～ (ページ12)

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彼が私を嫌いな理由ページ12

「逃げなかったんだ＾＾」

そういって近づいてくる彼。

違う。私が逃げなかったのは、聞きたいことがあったから。

それは・・・

「なんで・・・・私のこと嫌いなの…？」

休み時間に聞きそびれた問いかけをもう一度。

揺れていた空気がピタッと止まった。
キュヒョンは、顔に張り付けた笑顔を消し、薄く唇を開いて私を見ている。

「・・・・・」

流れるのは沈黙。
２人の呼吸の音色。
心臓の音が耳にうるさい。

彼の顔は、何かを考えているようで、意識がここにないみたいに、表情を
無くしている。

「お前だって」

黒目がこちらに終焦点を合わせる。
いつもこの教室の中で騒いでいる彼の声からは考えられないくらい静かな声。
瞬きをし、濡れた瞳に淡い光が差し込むのが見えた。

「お前だって・・・俺のこと嫌ってんじゃん」

答えになってない応えに、思わず反論をする。

「それは・・・！あなたがこんなこと・・・・―」
「する前から」

私の声を遮り、言葉を続ける。

「・・・・する前から、嫌いだっただろ？」

私を見る目は、鋭く突き刺すような目。
だけど、どこか憂いを帯びていて、少しだけ・・・ほんの少しだけ、
泣き出してしまいそうな表情に見えた。

キュヒョンはフッと息が漏れる程度に笑い、

―「知りたいんなら、・・・・こっちこいよ＾＾」